2006年06月14日
産業系廃プラのリサイクルはMRがベター
プラ協がLCA調査の結果を発表
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は14日、同協会が平成17年度の事業の一つとして実施してきた産業系廃プラスチックの再資源化(リサイクル)に係わるLCA(ライフサイクルアセスメント)調査研究の結果を発表した。
 
 これは、産業系廃プラスチックの中でも特にマテリアルリサイクル(材料リサイクル=MR)が活発に行われている複写機、自動車バンパー、ATM(自動販売機・回胴式遊戯機)の3種類の製品を対象に選んでMRを主体としたリサイクルのLCAを実施し、MR法で処理した場合と焼却発電や単純焼却した場合との環境影響の違いの有無を定量的に把握することにしたもの。
 
 その結果として(1)資源消費、エネルギー消費、環境負荷(CO2、NOX、SOX、固定廃棄物)を統合した指数は、全ての事例においてMRする方が焼却発電や単純焼却するより小さいこと(2)産業系廃プラスチックの場合、設計段階で工夫することにより容易に手分解・分別できる単一樹脂で構成されているのでMRが好ましい手法と言え、異物が混入しやすい容器包装とは対象的であること--の2点が明らかになったと結論している。
 同協会では、今回の調査研究の結果が産業系廃プラスチックの処理に携わっている事業者や業界団体で活用され、より環境適性に富むリサイクル活動の展開に結びついていくよう期待しているとコメントしている。
 
 3種類の製品それぞれのLCA調査結果の概要は以下の通り。
 《複写機》
 プラ製品の93%がMR、残り7%が高炉原料化されている。これを全て発電を伴う焼却処理した場合や単純焼却した場合に比べると、MRの環境影響統合化指数が小さいことが判明した。
 《自動車バンパー》
 プラスチックバンパーの76%がバンパーからバンパーへ、また24%がカスケード型でMRされている。また、100%リサイクル樹脂で成形する場合と、新規樹脂を80%、そしてリサイクル樹脂を20%の割合で混合して成形する場合とがある。これらについてもMRが環境影響統合化指数が小さいことが確かめられた。
 《ATM等》
 プラ製品の23%がMR、77%が非鉄精錬の燃料としてサーマルリサイクルされている。この場合も、MRが焼却発電や単純焼却に比べて環境負荷が小さいことがわかった。