2006年06月20日
大洋塩ビ、対中輸出価格を7月も引き上げへ
トン870〜880ドルを提示して折衝を開始
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビは、このほど中国の大手樹脂加工企業との間でPVC(塩ビポリマー)の7月の輸出価格交渉を開始した。
 同社の今回の提示価格はトンCFR870〜880ドルで、6月の価格に比べると同40ドルの値上げとなる。ナフサの高騰に伴う原燃料コストの上昇分を転嫁するのが狙いで、同社では月内の満額決着を目指していく。
 
 同社の最近におけるPVCの中国向け輸出価格は、4月の同740ドルをボトムに5月が760〜770ドル、そして6月が830〜840ドルとそれぞれ順調に改善されてきている。品質面でカーバイド法製品を大きくしのぐエチレン法塩ビに対する需要の盛り返しが大きな要因と言ってようようだ。特に、高い品質が求められる欧米向け加工製品の製造・販売に重点を置いている大手加工企業の間における人気の高まりが大きいと見られる。

 こうした中で同社が7月分をさらに引き上げることにしたのは、ビーチ用具の需要が活発なことと、欧米向けを中心とした塩ビ製クリスマス商品の製造が最盛期を迎えたこと等でエチレン法塩ビに対する需要が一段と拡大すると判断したため。台湾のPVCメーカーなども同様の予想に基づいて再値上げに踏み切る構えといわれる。