2006年07月10日
PVCの対中輸出価格、7月も引き上げが決定
大洋塩ビ、信越化学などが相次ぎ決着へ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:信越化学工業、大洋塩ビ

 わが国の塩ビ樹脂(PVC)メーカーによる中国向けの同樹脂の輸出価格が7月分も引き続き前月を上回るレベルに引き上げられることがほぼ確定した。

 大洋塩ビ、信越化学など同樹脂各社が現地の需要家やトレーダとの間でそれぞれに進めていた交渉が先週末までにほぼ決着したもの。合意価格は、企業によってあるいは取り引きの多寡によって多少異なるが、最も低いケースでトン当たり830ドル、高いケースで850ドルとなった模様。6月分に対しては約20ドル高となる。
 これでわが国のPVCメーカーによる対中輸出価格は、4月の740ドルをボトムに3ヵ月連続の引き上げが実現することになる。

 これには、品質面で同国のカーバイド・アセチレン法製品を大きくしのぐエチレン法PVCに対する需要が高品質の輸出加工製品を手がける有力加工企業向けを中心に引き続き増加傾向をたどっていることが大きく作用していると見られる。
 もっとも最近は、同国のカーバイド法企業の間でも採算の改善を目的に同樹脂の値上げに踏み切るところが相次いでおり、中には今春のレベルを2割前後上回る価格を提示する向きも現れている模様。