2006年07月13日
珠海住化の中国工場が来月完成
住友化学、PPコンパウンドも国際展開
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学と東洋インキ製造の共同出資会社である「珠海住化複合塑料有限公司」が中国・広東省珠海市郊外で建設工事を進めているPPコンパウンド工場が8月中に完成する見通しとなった。
 同工場は、バンパーなど自動車部品用コンパウンドの専門製造工場で、当面の生産能力は年産1万トン。基礎設計は2万トンとなっている。住友化学55%、東洋インキ45%の共同出資による珠海住化複合塑料が運営していく。
 
 両社のうちの住友化学は、日本、シンガポール、米国の3地域で独自の技術でPPを工業化しており、うちシンガポールでは8月末にも年産20万トンの増産体制を整えることにしている。また08年半ばにはサウジアラビア・ラビーグに79万トンの新プラントを建設する計画で基礎工事に着手してもいる。
 
 しかし自動車部品向けのコンパウンドについては、米国、シンガポール、インドネシア等で専門企業に生産を委託するにとどまり、自らが生産拠点を持つまでにはいたっていなかった。そうした中で今回珠海に初の生産拠点を設置することにしたのは、中国で自動車生産量が急拡大していくのに伴い、同社の樹脂重合技術と東洋インキの着色技術の組み合わせによるコンパウンドが安定したシェアを確保していける公算は極めて高いと判断したため。
 同社ではこれを弾みに、同コンパウンド事業についてもこれからは積極的に国際展開を図っていく方針。なお、珠海住化の新工場の本格操業開始時期は今年末となりそう。