2001年08月10日
ポバールアジア社、市況悪化でシンガポール工場20%減産入り
原料酢ビモノマー供給過剰響く
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:クラレ、日本合成化学

 アジア地域でポバールの需要が低迷し、市況も軟化してきたため、クラレと日本合成化学両社折半出資のシンガポール製造会社「ポバールアジア」社は7月初から20%の減産に入った。

 ポバールの市況は昨年までトン当たりCIF2,000ドル前後で安定していたが、原料である酢酸、酢ビモノマーの供給過剰から、とくに酢ビモノマーの市況が崩れ、ポバールの市況に影響が出てきた。

 このため「ポバールアジア」ではシンガポールにある年産4万トンプラントの操業率を20%引き下げ、需給調整を図ることにした。
 酢ビモノマーの市況は昨年までCIF1,000ドル前後だったが、最近は30%近い下落を見せているという。

 酢酸、酢ビモノマーはUCCの韓国進出に続いて、セラニーズがシンガポールに大型設備を完成しており、景気後退による需要低迷もあって供給過剰の状態となっている。
 ポバールアジア社の減産期間は9月末までの3か月の予定という。