2001年08月06日
アジアのL-LDPE相場が再び下降
市場はエクソンモービル等の値上げ通告も無視
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:エクソンモービル

 一時期回復の傾向をたどっていたL-LDPEのアジア地域におけるスポット相場がここにきて再び軟化し始めた。事態を重視してエクソンモービルなどが値上げを通告しているが、中国をはじめとした市場の反応は極めて冷ややかで、事実上無視されている。
 現在の同地域における同樹脂の平均CFRの平均は、トン当たり580~590ドルとなっている。最近のピークである7月中旬に比べると20ドルがらみ安い。台湾のFPCとシンガポールのエクソンモービルが今年春以降に相次いで大型プラント(L-LDPEとHDPEのスイングプラント)の操業を開始したことに伴って中国を始めとしたアジア諸国の需要家の間に生まれた需給の緩和感と先安感がここにきてさらに強まってきたことによるものと見られる。
 これに引きずられるように、HDPEやHP-LDPEの相場も弱くなっている。HDPEは同610ドル前後、HP-LDPEは同600ドルを若干割り込んでいる。
 こうした中で日本のポリエチレンメーカーの輸出意欲は一段と減退している。現時点での成約は明らかに逆ザヤとなるからで、このままいくとポリエチレン全体の在庫がさらに膨らむことになる。