2006年10月26日
クラレ、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」生産体制大幅強化
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:クラレ、クラレ西条

 クラレは26日、独自技術で開発した耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」の需要が電気・電子から自動車分野へと広がる見通しとなったため同樹脂および主原料であるノナンジアミンの生産体制大幅強化を決めたと発表した。
 
 総投資額は約100億円。計画は第1期と第2期に分け、第2期が完了する2010年には、樹脂設備は2工場体制、合わせて年産12,500トンと現有設備の3倍近く、またモノマーは同7000トンと2倍以上の規模に拡大する。

 「ジェネスタ」は、同社が2000年に世界で初めて工業化したノナンジアミン(炭素数9のジアミン)を使用したポリアミド樹脂(PA9T)で、芳香環と高級脂肪族鎖からなるユニークな化学構造を持ち、耐熱性、低吸水性、摺動性、耐薬品性などに優れている。

 電気・電子部品分野はこのところ、環境規制の強化から「鉛フリー」化が進んでいるが、これに伴いSMT(表面実装技術)対応の高耐熱材料として「ジェネスタ」の需要が拡大している。さらに今後は、自動車分野のベアリングリテーナー・各種ギア、燃料配管、ラジエータ部品など、耐熱性・高摺動性等が要求される部分にも見通しが高まってきた。

 このため同社は、生産体制の大幅な拡大・強化を決めた。
 
 樹脂設備は現在、07年8月完成を目標にクラレ西条でデボトル(年産4,500トンから5,500トンに)工事を実施中だが、さらに樹脂および原料モノマーの増設投資を行い、樹脂の総生産能力を2010年までに年産12,500トン、モノマーは現有年産3000トンを7000トンにそれぞれ拡大する。総投資額はモノマー設備に80億円、樹脂設備に20億円、合わせて約100億円の予定である。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1161862059.pdf