| 2006年10月27日 |
| 住友化学、有機EL材料を08年中に生産 |
| テレビやモニターのデスプレイ用に供給 |
| 【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学は薄型デスプレイ用に成長が期待されている高分子有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光材料「LUMATION」を08年中に生産開始することを明らかにした。すでにデスプレイメーカー向けの試作を行い、実用化に向けての準備を杜整えているという。 同社はこの発光材料の製造技術を米ダウ・ケミカル社から買収、また発光材料を塗布するインクジェット方式で英CDT(ケンブリッチ デスプレイ テクノロジー)と共同会社サメイションを設立して、研究開発を進めている。 高分子型の有機ELは低分子型のような真空蒸着設備がいらず、この分コストが安くなる特徴がある。また有機ELは自発光型なので、バックライトを必要とする液晶パネルに比べ省エネができ、高精彩で視野角が広い。 CDTは青色発光材料(デンドリマーを利用した高効率りん光材料)の寿命を改良、さらに赤色発光材料についても研究が進んだとしているが、素子のデータは400cd/平方メートルの初期輝度で9万8,900時間、100cd/平方メートルで150万時間。今年3月発表のデータの2倍近くになっている。 有機ELデスプレイの生産には、長寿命と高効率性を持つ赤、緑、青のフルカラーを必要とする。CDTはりん光性赤色材料の効率が色座標でCIEx=0.67、y=0.32に高まったとしている。 住友化学ではこのような高分子有機ELの発光材料の研究成果にもとづいて、工業化(大阪工場)の時期を08年中としたわけだが、唯一のライバルである欧コビオン社の動きを意識しながら計画を実行する意向。 薄型デスプレイのサイズは明らかにしていない。携帯電話などに使われる超小型サイズについてはすでに営業を開始している。 |