2006年10月27日
住友化学、 太陽電池事業で米国に合弁会社設立
3年後めどに次世代型・高効率太陽電池商業化めざす
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は27日、米国ローズ・ストリート・ラボ社(RSL社)と、フルスペクトラム太陽電池の開発・製造・販売を目的とした合弁会社「RSLエナジー社」(RSLE社)を設立すると発表した。
 
  RSLE社は、RSL社が米国のバークレー研究所およびコーネル大学から既に得ている、従来品と比べ大幅に広範囲な光波長を活用できる半導体素子に関する特許の独占ライセンス権を引継ぐ。
 
 住友化学とRSL社は、今後合弁会社を通じ、それら特許をベースにした技術を活用し、3年後をめどに次世代型の高効率太陽電池商業化をめざす。
 
  バークレー研究所の開発した「マルチバンド技術」は、構造のシンプルさやコスト面ではシングルジャンクション素子レベルでありながら、発電効率はトリプルジャンクション素子と同等レベルの高さを実現しうる独特な技術で、本年9月には、毎年世界で最も優れた技術100件に与えられる「R&D100賞」(「R&D」誌選定)を受賞した。
 
  また、コーネル大学とバークレー研究所が共同開発した、マルチバンド技術同様広範囲な光波長の吸収を可能とする、化合物半導体(InGaN)を用いた「マルチジャンクション技術」を活用し、早期商業化を図る。
 
 同技術完成後は、太陽電池の発電効率を、現在主流のシリコン系に比べて約3倍の48%以上に向上できるとしている。
 
【新会社の概要】
(1)会社名 :RSL Energy,Inc.
(2)設 立 :2006年11月初旬予定
(3)所在地 :米国アリゾナ州フェニックス市
(4)資本金 :当初6.6百万米ドル
(5)出資比率 :住友化学 50%、RSL社 50%
(6)製 造 :住友化学の関係会社Sumika Electronic Materials, Inc.が、RSLE社の主要原料(化合物半導体等)および製品を製造する第一優先権を有する。
(7)販 売 :住友化学は、RSLE社の製品を日本およびその他アジア諸国で販売する第一優先権を有する。

【 ローズ・ストリート・ラボ社(RSL社)の概要】
◇会社名 : Rose Street Laboratories, LLC
◇本社所在地: 米国アリゾナ州フェニックス市
◇設立年 : 2003年10月1日
◇CEO : Bob Forcier
◇従業員 :260名
◇売上高 :40億円

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1161930087.pdf