2006年11月02日
PTA大手、11月のアジア諸国向け価格を修正へ
相次いで900ドル台でオファー
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、アジア地域を最大の市場とするPTAの大手メーカーは今週に入って相次いで中国のポリエステル企業大手に対して11月の船積み分の価格の引き上げを表明した。

 オファー価格はメーカーによって若干異なるが、最も安い場合でCFRトン900ドル、高いケースで同940ドルとなっている模様。

 PTAのアジア地域の価格はこの2ヵ月間、同880ドル前後にとどまってきた。7月の980ドル、8月の1,050ドルを大幅に下回るレベルまで下がっていた。これは、最大消費先の中国のポリエステル重合企業が原油とPXの国際スポット相場の反落を見ていっせいにPTAの買い渋りに踏み切ると同時に厳しく値下げを迫ってきたことによるものであった。

 こうした需要家の動きに対しては、三菱化学のように採算割れを理由に値下げ要求を拒否して取り引きを一時中断する措置を取るところも現れた。
 また、アジア地域全体の需給バランスも、同社や三井化学、BPなどの定修や計画減産によってここにきて急速に改善されてきている。このため、来週から始まる中国のポリエステル企業との交渉はこれまでと異なりサプライヤー側が主体性を持って進められる可能性が高い。