2006年11月06日
アジアのポリオレフィン市況が一段安
米国勢の積極攻勢と中国品の値下がりが影響
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社の調べによると、中国をはじめとしたアジア地域におけるポリオレフィンのスポット相場が先週に入って一段と下降してきた。
 
 最大消費国である中国のCFR価格を例に取ると、先週末におけるLDPEとHDPEのフィルム用品種の平均はトン当たり1,230ドル、L-LDPEのフィルム用は1,210ドル、PPホモポリマーのヤーン用と射出成形用は1,220ドルとなっている。1週間前に比べると、HDPEとLDPEは20ドル、L-LとPPは40ドル下がったことになる。

 続落の要因は、原油の国際スポット相場の軟化に伴ってオレフィンのスポット価格が下降してきたのに加えて、余剰玉を抱えた米国のポリオレフィンメーカー大手が中国の大手加工企業やトレーダーに安値のオファーを相次いで出してきたことと、中国国内のポリオレフィンメーカーが稼働率の引き上げを目的に販売価格の引き下げに動き始めたことにあるようだ。
 
 需要は再び盛り返しつつあるが、11月中旬から12月中旬にかけては米国品が大量に到着する見通しなので、当分のアジア市況はなお弱含みで推移する公算が濃厚となっている。