2006年11月13日
東セロ、シリコーンコートフィルムの設備を4割増
年8,000万平米のクリーンコーターを追加へ
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東セロ

 東セロは、産業用機能性フィルム事業の拡充策の一つとして08年2月完工を目途にシリコーンコートフィルム(SCF)の生産能力を4割方増強する方針を固めた。昨年9月に実施した5割増に続く大幅増産体制の構築となる。
 
 現在同社は茨城工場で合計3系列のクリーンコーターを使ってSCFを生産中だが、需要がセラミックコンデンサーや液晶製造工程における離型フィルムなど電子材料向けを中心に順調に拡大していて遠からず供給力が不足する見込みとなってきている。このため、年間8,000万平方メートル能力の大型コーターと新たなクリーンリームを増設して、需要の増加とニーズの高度化により機敏に対応していくことにしたもの。所要資金は約25億円となる見込み。
 
 SCFはPETフィルムにシリコーンをコートした産業用高機能フィルムで、需要はこの数年毎年10%以上増え続けている。これには、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、DVDなど電子機器向けにセラミックコンデンサーの需要が順調に拡大してきたことが大きく寄与している。東セロは、独自の技術でいち早く同フィルム分野に進出、いらいセラミックコンデンサー向けを中心にトップシェアをキープしてきている。今回の大型クリーンコーターの増設によってその事業基盤は一段と強化されることになりそう。