2006年11月16日
アジアのエチレン価格、1,100ドル割れも
市場に需給緩和観が一段と広がる
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、アジア地域におけるエチレンのスポット価格が一段と軟化、極東地域のオファーの多くはトン当たりCFR1,100ドルを若干割り込むに至っている。
 
 直近の平均価格は1,080ドルで、1週間で20〜30ドルの値下がりとなっている。10月初旬に比べると100ドル前後安い。今年のピークの9月上旬のレベルに比較すると約370ドルもの下降となる。5月初旬の水準に戻ったことになる。
 東南アジア地域のスポット価格は1,100〜1,130ドルで、極東を若干上回っている。この場合は極東と異なりこの1週間に目立った変化は見られない。台湾のように他の国から時として大量にエチレンを調達するところがないためだ。それでも、ピークの9月上旬に比べるとやはり360〜370ドルの値下がりとなっている。

 大手商社の多くは、今後もなおしばらくアジアのエチレン相場は下降が続くと予想している。これは、現在定修で運休中のエチレンプラント4機が今月末に定修を完了して一斉に再稼動するとともに韓国・YNCCが増設中の年35万トン設備が稼動入りする見通しにあって市場に需給緩和観が一段と広まっているためだ。中国の樹脂加工企業のポリエチレンの買い渋りが続けば一気に1,000ドル割れとなろう。