2006年11月27日
対中輸出国、樹脂価格を相次いで引き上げへ
HP-LDPEではトン1,300ドルのオファーも
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 シンガポール、サウジアラビア、韓国などかねてから中国向け輸出に積極的に取り組んでいるポリオレフィンの量産各国はここにきて相次いで12月の船積み分の価格の引き上げに乗り出した。
 
 中にはシンガポール・TPCによるHP-LDPEトン当たりCFR1,300ドルという最近にない高値オファーも見られる。受け入れられれば11月比40〜60ドル高となる。
 他の樹脂の直近のオファー価格の平均は、L-LDPEが1,260〜1,270ドル、HDPEが1,280〜1,300ドル、PPホモポリマーが1,260〜1,280ドルとなっている。11月の平均に比べると20〜40ドル高い。
 中国の国産樹脂の価格も上昇傾向にある。L-LDPEを例に取ると直近の価格は1万2,200〜1万2,400元で、1週間前に比べると150〜300元上がっている。
 
 このように全体の価格が上昇に転じてきたのは、長期化した買い控えによって中国国内の需要家の在庫が適正規模を割り込む事態となって引き合いが出始めたためと見られる。1ヵ月前後遅れていた農ポリメーカーのハウスの敷設作業もようやく始まったといわれる。
 ただし、加工企業の採算状態は春から夏場まで続いた原料高で極度に悪化しており、このため各国のオファーがそのまま受け入れられるかどうかはまだはっきりしない。