2006年11月30日
第3回 北京—日本投資促進フェア開く  
新たなビジネスチャンスを強調 五輪にも期待
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 北京市の商務局、工業促進局、投資促進局などから幹部40氏が来日し、28日、東京高輪プリンスホテルで第3回北京—日本投資促進フェアを開いた。同フェアは04年に北京、第2回を東京で開き、今回はこれ続く3回目。

 まず、馮海・商務局副局長が「日本は外資導入の重要な相手先であり、強い協力関係ができた。国際分業を重視する対話のプラットフォームを構築したので、多方面の交流に確信がもてる」と同フェアの成果を強調した。

 張吉福・投資促進局長は「北京は対外開放によって、経済発展が一段と進み、2005年のGDPが6,814.5億元、一人当たりGDPが5,457ドルに達した。第3次産業の比率が69.2%と全国最高水準に高まり、50%台にある上海に大差をつけた。すでに北京への投資は日本が最大だ」とし、北京の発展には東京を見習う必要があると語った。

 張局長によると、北京の財政収入は2000年の345億元から、05年に912億元と増え、消費が360億ドル(対前年比10.5%増)、輸出が1,255億ドル(同32.8%増)、外資利用額が35.3億ドル(同14.4%増、今年は1—8月で30.9%増の33億ドル)になったという。

 こうした成長の理由には、中央の政策、情報の発信地・首都であること、科学成果の3分の1、特許の3分の1を占めていること、交通が陸、海,空とも発達しインフラが整備されていること、エネルギーや市場の優位性があること、東北・華北経済の中心にあること、08年に北京オリンピックが開催されることなどをあげている。

 中国は広州、深せんなどの華南から上海中心の華東へと発展してきたが、環渤海経済圏も約10年の議論を経て天津(濱海新区を建設)、唐山などと一つの経済圏とする話がまとまった。これらのエリアの協力で、基盤や経済総合力の強化が見込まれるとしている。

 北京には北京大、清華大など有名大学が79校も集まっている。重点大の数が全国の4分の1を占めている。これと中国科学院、中国工程院などの国家研究機関が国内、外資系を含めて146社のR&D企業を設立している。

 その代表例が科技パーク(10カ所)の中関村である。北京には国家レベルの会はつくが3つ、市レベルが16カ所ある。空港近くに建設中の空港工業区もその一つである。用地は十分にある。北京の総面積は1万6,400平方キロ。市街地の約2,000平方キロを除き、土地資源は確保できる。

 北京は多国籍企業が地域本部やR&Dセンターを設立、運営することを歓迎する。日本の中小企業は数百万、北京は数十万だが、雇用の重要な担い手でもあり、連係プレーすることを希望する。また、文化クリエーティブ産業を重視している。

 発展している日本のアニメ産業の進出を期待している。北京は知財保護を強化している。知財権の発展と保護戦略の策定を急ぎ、クイックレスポンス体制を整備した。