2006年12月06日
東京応化と米・ダウコーニング、シリコン含有Bi-Layerフォトレジストを開発
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:東京応化工業、東レ

 東京応化工業は6日、米・ダウコーニング社(本社:ミシガン州ミッドランド)と、フォトレジストにシリコン含有ポリマーを採用することでエッチング選択性を改善した、65nmノードリソグラフィーに対応可能なBi-Layerフォトレジストを開発し、デバイス用材料として販売すると発表した。

 同フォトレジストは、シリコン含有量が高いため、エッチング耐性が高く、Multi-Layer プロセスで従来のハードマスク層が不要になり65nm ノード以降のプロセス簡略化が可能となる。
 
 さらにシリコンに起因するアウトガスを現在の検査装置では検出不能なレベルまで低下させることが可能なため、装置汚染の懸念もない。

 東京応化ではこの新しい材料について「フォトレジスト技術と、193nmリソグラフィーの延命という、両方の点で半導体産業に大きく貢献できるものになる」としている。
 
 また、「ダウコーニング社の特殊なシリコン含有ポリマーと同社の感光性材料開発技術の融合によって、新しいクラスのフォトレジストが販売できることになった。当社の新規Bi-Layer フォトレジストは65nm ノード以降のリソグラフィーに対しコスト効率に優れたソリューションをもたらす」と説明している。

 半導体業界では、193nm リソグラフィーが45nm ノード以降へと発展することが見込まれているため、必要な解像度と広いプロセスウィンドウを達成するためにもフォトレジスト膜厚の薄膜化が必要。
 
 また、その基板に微細なパターンを正常に転写するためにはエッチング耐性の向上も必要とされる。従来の有機系フォトレジストには、必要とされるエッチング耐性を有さないために、エッチング耐性を考慮したハードマスク層を含むいくつかの層を組み合わせたプロセスが使用されている。

 「東京応化との共同開発によって、だれもなしえなかったことを達成した。つまりシリコン含有ポリマーをフォトレジストに採用し、シリコンに起因するアウトガスの問題を回避することに成功した。また、次世代リソグラフィー技術の実用化までには今後数年は必要であると見込まれているため、ダウコーニング社と東京応化は連携して65nm ノード以降の光リソグラフィー実現に取り組んでいる」と、東レ・ダウコーニングのエレクトロニクス&アドバンストテクノロジー・グローバルマーケティングディレクター、野口具信氏は述べている。

 共同開発されたBi-Layer フォトレジストは、ドライリソグラフィーをはじめ、液浸リソグラフィーにも適用できる。その液浸リソグラフィーは45nm ノード以降に十分対応するとして有望視されている高度なリソグラフィー技術である。東京応化は液浸リソグラフィー条件の下、このBi-Layer フォトレジストを使用して35nm のライン/スペースパターンの分離解像に成功したという。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1165379754.pdf