| 2006年12月19日 |
| SMのスポットもアジアで高騰 |
| 需給のタイトバランスが継続 |
| 【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況) 【関連企業・団体】:なし |
ベンゼン(BZ)の国際スポット相場の高騰に後押しされるようにスチレンモノマー(SM)のアジアのスポット相場も上昇してきた。 大手SMメーカー筋によると、直近のアジアのスポット価格は、中国のCFR価格を例に取るとトン当たり平均1,350ドルとなっている。12月第1週に比較すると平均50ドル高い。最近のボトムである9月初旬に比べると140ドル回復したことになる。 急回復の背景については、原料BZの国際需給バランスのタイト化とスポット相場の急反騰が直接の引き金になっていると分析する向きが多い。BZのコントラクト価格は、US(米)CPがガロン当たり332セント、A(亜)CPがトン当たり935ドルとなっている。うちUSCPは11月より同28セント下がり、ACPは逆に同25ドル上がるという変則的な姿となっている。しかし、最近のスポットは米国で同380セントに跳ね上がり、アジアでも同1,065〜1,070ドルに急騰している。 この要因については、リファイナリーのトラブルが各地で相次いだため需給が一気に引き締まってきたことにあるとの見方が一般的となっている。このため最大の誘導品であるSMの需給も一段とタイトとなり、そしてそれがスポット市況の上昇となって現れてきているという。 SMメーカーによると、アジア地域におけるSMの需要はABS向けとEPS向けを中心に順調に推移しており、一方の供給量は一部メーカーの定修後の立ち上げの遅れもあって需要量を若干下回る状態にあるという。 今後も同じようなバランスで推移する公算が濃厚というのが関係者の大方の見方となっている。したがって、BZのスポットが反落しない限り、SMのアジアのスポット市況も高水準が続くとの見方が多い。 |