| 2006年12月20日 |
| 国貿促が中国知的財産事情で近況報告会 |
| 第3次特許法改正に向けての動きにも注目 |
| 【カテゴリー】:行政/団体(海外) 【関連企業・団体】:なし |
国際貿易促進協会は中国特許制度の円滑な発展に協力し、日中間の知的財産権分野の相互理解と協力関係を促進するため、中国特許協力会と中国特許・ライセンス協議会を設立して対中交流を行っている。 この催しは1991年からスタート、ことしも中国特許協力会が中華全国専利代理人協会との共催で武漢市セミナーを実施した。 同セミナーに参加した黒瀬雅志・協和特許法律事務所副所長によると「今年秋から中国で知財の論議が高まった。特許権の効力を制限する独占禁止法の草案など第3次特許法改正の動きもある」としている。 これは知財権を濫用して競争を排除、制限した場合この草案(第54条)を適用するというもの。中国政府による「国家知的財産戦略」政策が公表される見通しにあるというわけだ。以下は中国知財事情の大要である。 (1)中国の特許出願件数は03年と05年で見ると発明が10万5,318件から17万3,327件、実用新案が10万9,115件から13万9,566件、意匠が9万4,054件から16万3.371件と増えている。日本と中国、韓国が多い。 海外からの専利出願件数は日本が2万4,241件から3万6,221件、米国が1万2,221件から2万395件、韓国が5,015件から9,300件、ドイツが4,522件から7,502件に増えた。 第10位までの企業別では04年の松下電器、楽金電子(天津)、三星電子、華為技術、フィリップス、ソニー、セイコーエプソン、LG電子、IBM、キヤノンに対し、05年は華為技術、三星電子、フィリップス、松下電器、楽金電子、ソニー、鴻海精密、鴻富錦精密、IBM、LG電子の順。 (2)こうした出願件数の急増によって、審査の遅延が起こり、審査官の増員に迫られている状況。分割出願の時期的制限といった審査基準の改正(06年7月1日)も行われている。専利代理人の増加と移動もみられる。知財権紛争事件は05年に1万3,424件(2審は3,114件)もおきている。 中国の司法制度の仕組みをみると、裁判所は人民代表大会の下に設けられ、三権分立ではない。地方保護主義、2審終審制である。審理はするが、裁判官に独自性はなく、裁判委員会制度で審判。ただ、01年のWTO加盟によって、最終判断を行政から司法に移す動きもみられる。 最近の特許訴訟からみて、証拠が重要(立証責任の強化)。鑑定機関の選択や優秀な弁護士・法律事務所の確保の問題がある。特許訴訟に耐えられる特許の確保が必要である。実力に見合わない代理人の高額報酬の問題もある。 独自の知財権と有名ブランドを持つ国際競争力のある大企業グループの形成が必要となっている。 (3)中国には自ら発展途上国を任ずるところがある。技術力に劣る状況で特許抗争に勝利する中国規格と特許をリンクさせる戦略である。国家中期科学技術発展企画綱要(06年2月公表)として、知財戦略と技術標準戦略が実施されている。 中国は1985年4月に西独特許法をモデルに資本主義経済型特許制度を導入した。1993年1月に第1次法改正、物質(医薬、化学物質)特許制度を導入、1994年1月にPCTに加盟した。 目下、第11次5ヵ年計画に一環として創新型国家の建設を目指し、第3次特許法改正に取り組んでいる。特許保護のハードルを高くし、開発力の向上をはかる狙いがある。 |