2007年01月29日
香港、中国で成長する医療診断サービス
中産階級がヘルスケアに関心 THIH首脳に聞く
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 香港を中心に医療診断、健康検診などを行うビジネスが急成長している。深せんなど中国華南地区への拡大も予想されている。MRI(3T)、PET/CT(64)といった近代的な診断設備の導入やサービスの向上が住民の所得増や高齢化と相まって人気が高まっている状況だ。

 2000年に香港証券取引所GEMで上場、04年から06年の大幅に業績を伸ばした康健国際控股有限公司(TOWN HEALTH INTERNATIONAL HOLDINGS)の曽貴子総裁・CEOに成長ぶりと今後の見通しを聞いた。以下はその要旨である。

 THIHは香港に約80か所のタウンヘルス・メデカル・センターをもつ。事業内容は外来医療サービス、専門臨床サービス、歯科(クリニック16か所)、物理療法など。職員約600人、うち約100人が医師。顧客基盤約70万人。香港最大の医療グループの一つで、98年に香港初の24時間外来診療サービスを実施した。

 物理療法、栄養士によるカウンセリング、心理療法、視覚テストなどの医療補助サービスも行っている。私立病院と提携、先進的な医療設備に投資、MRI(磁気共鳴影像法)システム、放射性医薬品に使用するサイクロトロン、ポジトロン放出型断層撮影PET/CTスキャナーなどを設置している。主要機器は独シーメンス製だ。

 中国および香港の200か所以上の病院と提携し経皮経管冠動脈形成(PTCA)、PTAバルーンおよびチューブ、創縫合器具、ペースメーカー、冷却切除機器、臨床検査機関向けの情報システム、心臓・抹消血管関連の手術機器(子会社のパシフィックメデカル経由)などを供給している。

 業績をあげているのが曽貴子氏が首席顧問を務める子会社の香港体検(Hong Kong Health Check and Laboratory Holdings THIHが48・46%出資)。検診と医療診断が主な業務。香港で人工の多い地区にサテライト検診センターを設置しているほか、中国やマカオに業務提携による検診センターを置き、企業の買収も行っている。

 代表的なのは香港&医療診断センターで床面積4,180平方メートル、ネーザン・ロードに面している。1億4,500万香港ドル(1香港ドルは15.4円)、昨年12月に試験開業した。

 このような積極的な経営でTHIHの売上は06年に2億3,117万香港ドル(対04年比28.76%増)、粗利益1億1,183万香港ドル(同50.45%増)と伸びた。ことしは上半期で売上1億2,075香港ドル(同13.5%増)、粗利益6,195香港ドル(同25%増)、利益5,824香港ドル(同377%増)を見込んでいる。

 THIHは収益モデルとして、会員顧客が多いこと、保険会社に顧客ネットがあること、医師からの顧客紹介があること、ヘルスツアーなどのパッケージ検診があること、診察料(3,000-6万香港ドル)が安いことなどをあげている。http://www.townhealth.com/