2007年02月05日
その他プラ容器包装の回収は着実に進展
リサイクルは、マテリアルが大幅増
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会が容器包装リサイクル法に沿って全国の市町村から12月中に引き取った使用済みプラスチック製容器包装の総数量は45,535トンで、前年同月を6.4%上回った。この結果4月から12月間での9ヶ月間の総引き取り数量は409,952トンとなった。前年同期の実績を3.9%上回っている。
 
 長期にわたって前年同月割れが続いているPETボトルと異なり、プラスチック製容器包装の場合は着実なペースで回収が進んでいると言える。ただし、同協会による今年度(06年4月から07年3月まで)の総引き取り予定数量は前年度の実績比12.3%増の409,952トンとなっているので、残る3ヵ月でもう少しピッチを上げないと目標をクリアできなくなる。
 
 うち、白色発泡スチロール製食品用トレーの引き取り数量は12月が前年同月比8.6%減の74トン、4月からの累計が同7.6%減の667トンとなっている。
 これを除く「その他プラスチック製容器包装」の12月の引き取り数量は同6.4%増の45,460トン、4月からの累計は同4.0%増の409,284トンとなっている。
 
 これらのうちのPSトレーについてはかねてから全量がマテリアルリサイクルされている。一方のその他プラスチック製容器包装の場合は、4種類の手法に分かれてリサイクルされている。最も処理量が多いのはコークス炉利用法で、12月の場合は全体の39.2%相当の11,743トンとなっている。累計では同41.6%の109,113トンに達している。
 しかし前年の実績に対比すると12月は20.1%減で、累計でも12.1%減のマイナス成長となっている。
 これに替わって大きく伸びているのはプラスチック製品化、つまりマテリアルリサイクル法だ。12月の処理量は10,792トンとコークス炉利用法に肉薄しており、前年同月に対する伸び率は50.1%に達している。累計は95,443トンで、前年同期を46.3%上回っている。
 このようにマテリアルリサイクル法が急拡大してきたことによって、最近のケミカルリサイクル法によるリサイクル事業者の中には原料である使用済みプラスチック製容器包装の確保が困難となるところも出るにおよんでいる。
 このままいくと、事業の継続危機に見舞われるケミカルリサイクル事業者が多数出ることになりかねない。しかも、マテリアルリサイクル法の場合は汚れが付着した容器包装の処理が困難なため、市町村が一般家庭から収集した製品のうちかなりの比率のものがリサイクルされず埋め立てに回されるという問題も内包している。