2007年02月13日
「中国の経済成長になお勢い」 真田・愛知淑徳大教授が講演
消費の層幅広く、高・低付加価値製品とも飲み込む
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 2007年の東アジア経済の動向—と題する真田幸光・愛知淑徳大教授の講演を聞いた。同教授は慶応大法学部卒、49歳。ジェトロ東アジア研究会委員を務めている。「中国の経済は引き続き成長し、東アジアの牽引力となる。中国はまず先進国、東南アジアなどからものを買い、これが高低の付加価値品を問わない。いわば“ブラックホール”(すべて吸い込む)だ。情報、資金とも同国を中心に動く」と大要、以下の通り語った。

 中国は外資企業を誘致、製品を輸出することによって成長、いまや世界のマーケットとなりつつある。IT、エレクトロ製品、自動車が主力だが、国内の購買力が高まったほか、すでに東南アジアの製品を輸入する力もついている。東アジア経済のブラックホールになっている。

 昨年の中国経済は1—3月に設備投資が拡大、労働生産性、経済効率を高めた。4—6月は原油価格が上昇、インフレ懸念が強まり、投資マインドが締まった。7月に石油がバレル78ドルで上げどまり、10—12月にはアップトレンドに入った。アジア域内で物が動いている。

 金融でもアジアが世界の流れの中心となっており、中南米もアジアに向かっている。インドと韓国は昨年、資金が逃げて慌てる一幕もあった。最近ではアジア通貨は米ドルに強含みで経常収支を黒字基調にしている。

 為替では円は対ドル110—120円、円高ウオン安は今年も続く。円は122円を超えると126円もあるが、米国が円を売ってドルを買うと115円もありうる。

 人民元はアジア通貨高で先物は、1年もので金利7.5%、3年もので16.7%の見方もあるが、7—9月は3−5%ではないか。

 原油価格の見通しだが、オペックのメジャーの動きを注目したい。ロシアはウラル原油のバレル61ドルを意識しているようだ。

 中国が抱える問題としては、水不足、原材料不足、砂漠化防止、食糧不足、地方財政の悪化などである。