2007年02月13日
有機EL、AM型が3月にも動き出す 
「ワンセグ」登場でコントラストなど評価
【カテゴリー】:新製品/新技術(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:なし

 長寿命、大型化が課題となっていた有機EL(エレクトロルミネッセンス)デスプレイが、映像を載せる携帯電話ワンセグ型の登場で浮上する見通しである。まず、韓国のサムスンSDIが京セラにOEMを行い、AU(KDDI)が3月中に日本で発売する予定と伝えられ、次いでソニー、東芝松下デスプレイ、京セラ、日立の各社が有力。

 AUのデスプレイの仕様はアクティブマトリクス型で2.4インチ、解像度はQVGA(240字×320ピクセル)。26万色、色再現性はNTSC比で70−107%(液晶は50−80%)、コントラストは1万:1、携帯電話用液晶デスプレイの性能を圧倒している。

 メインデスプレイとしては2000年にドコモがNECのFOMA端末にパッシブ型のデスプレイを採用したが、発光部門にダークスポットが発生したとかで、中断した。それ以来6年ぶりの復活である。

 同デスプレイの厚みは1ミリていど、現行の液晶パネルの1.3—1.4ミリより薄い。パネルのバック地を黒にすることによって、コストを安くできるという。また、発光寿命も青色リン光ドーパントの開発で1万時間を達成している。

 AM型有機ELは、従来のTFT—LED(薄膜トランジスタ液晶)に比べ反応速度が1,000倍以上、このためコントラストなど画面が5倍と大幅に向上する。画面の鮮明度も40%以上高い。これによって画面の大型化も大きく進むとされる。

 有機ELは電気を通すと発光する有機化合物を電極ではさみ、映像や文字情報を表示する。バックライトなどの光源が要らず液晶に比べパネルを薄くできる。

 有機ELの今年の話題はソニーの27型フルHD有機ELテレビの公開でスタートした。1月に米国ラスベガスで開かれた「2007インターナショナルOES」で発表、インパクトを与えた。厚さ10ミリ、画素数1920字×1080、コントラスト100万:1超。輝度は全白で200cd/m2RGBの3色の階調はそれぞれ10ビット、色再現範囲NTSC比100%以上。トップエミッション構造である。同時に出展した11型の試作機は厚さ3ミリ、RGBの階調はそれぞれ8ビット。本格生産の時期は未定。

 また、昭和電工が2月初めに有機ELパネル製造への参加を明らかにした。最大30インチのパネルを千葉工場で今年中に生産する。材料も自社で生産する。有機ELの材料は出光興産、東レ、保土谷化学、新日鉄化学などが低分子、高分子材料で手がけている。