2007年03月01日
PETボトルの回収とリサイクルの低迷つづく
1月も市町村による輸出の大幅増が影響
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会が全国の市町村から1月中に引取った分別収集PETボトルの総数量は9,908トンとなった。前年同月の実績を14,5%下回っている。12月の実績に対しても2.5%少ない。9ヵ月ぶりの10,000トンの大台割れである。
 
 この結果、06年度の累計(06年4月から07年1月まで)は120,263トンとなった。前年同期の実績を17.6%下回っている。同協会の今年度の年間引き取り予定量は前年度比15.2%減の144,078トンとなっている。それに対する1月までの進捗率は83.5%となる。残る2ヶ月で目標をクリアできるかどうかは微妙。仮にクリアできても前年殿実績を大きく下回ることは避けられそうにない。その場合は16年度の191,314トンをピークに2年連続のマイナス成長となる。
 
 このように市町村からの引取り量が減少傾向をたどっている最大の要因は、多くの市町村が分別収集した使用済みPETボトルをプラスチック製品の輸出業者に売却することを優先し始めている点にあると見られている。現に1月の輸出通関統計によると、PETくずの総輸出量は20,628トンとなっており、同協会の引取り量の約2倍に達している。前年同月の実績を42.6%上回っている。うち19,818トンは中国向けで、前年同月比は45.1%増となっている。
 
 同協会の引取り量の縮小に伴って、同協会の委託を受けてリサイクルする再商品化事業者のリサイクル実績も縮小が続いている。1月は7,604トンで前年同月を24.6%下回っている。4月からの累計は90,567トンで前年同期比は26.9%減となっている。原料不足のため狙い通りの操業を維持できなくなっている事業者が増えていることが大きいと見られる。