2007年03月05日
住友化学・米倉社長、新中計発表「グローバル化さらに推進」
09年度目標 売上高24,000億円、純利益1,500億円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学
米倉弘昌社長

 住友化学の米倉弘昌社長は5日記者会見し、07〜09年度の中期経営計画を発表した。来年秋に操業開始する「ラービグ計画」の完遂を柱に「さらなるグローバル化を図り、大きな成長、飛躍を目指す」方針を強調した。
 
 09年度の業績目標は、連結売上高2兆4,000億円(06年度は1兆7,850億円見込み)、経常利益2,500億円(同1,500億円)、純利益1,500億円(同910億円)と設定した。営業利益は2,000億円で、持分法損益は650億円。このうちラービグの利益は500億円。また売上高に占める海外比率は48%(06年度36%)に上昇する見込み。
 
 設備投資額は3年間で3,700億円を予定。営業キャッシュフローは5,300億円と想定、このフリーキャッシュフローを活用して最大2,000億円の戦略投資予備枠を別途設定する。将来、大型投資案件が発生した際に活用し、次の飛躍につなげる。

 ラービグ計画は、06年3月の着工以来順調で基礎工事は100%完了。現在、配管工事やリアクターなど機器の据付けに入っている。現場には3,600トンという、世界最大のクレーンが入り、フル稼動している。作業員2万人が働いている。住化からは社員100人が常駐し指導に当たっている。08年央には予定通り完成の見込みだ。ラービグ全体の売上規模は約1兆円。石油製品の売上はこのうちの6-7割で、残りが石油化学製品となる。
 
 新中計では「ラービグ」以外にも、とくに高成長が見込まれるライフサイエンス・情報電子両分野には引続き経営資源を投入し、成長を加速させる。
 
 各事業部門の付加価値拡大のための方策及び09年度の目標売上高は以下の通り。

 【基礎化学】
 ・MMAシンガポール第3期計画の垂直立ち上げ
 ・カプロラクタムのコスト競争力強化
 ・09年度売上高=3,200億円(06年度見込み、3,000億円)

 【石油化学】
 ・日本・シンガポール・サウジでのグローバルな最適生産体制の構築
 ・ポリプロコンパウンド事業の強化などの高付加価値化推進
 ・09年度売上高=8,600億円(5,400億円)
 
 【精密化学】
 ・レゾルシン・医薬化学品の競争力強化
 ・09年度売上高=1,100億円(900億円)
 
  【情報電子】
 ・液晶関連材料の収益力強化
 ・新規材料の開発
 ・09年度売上高=4,700億円(2,750億円)

 【農業化学】
 ・成長製品(メチオニン・スミソーヤ・オリセットネットなど)の強化
 ・住化武田農薬の統合によるさらなるシナジー効果の実現と推進
 ・09年度売上高=2,300億円(1,950億円)
 
 【医薬品】
 ・戦略製品への経営資源の集中投入と新製品販売の早期最大化
 ・09年度売上高=2,650億円(2,350億円)
 
 【その他】
 ・09年度売上高=1,450億円(1,500億円)

 【売上高合計】
 ・09年度売上高=24,000億円(17,850億円)
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1173058988.pdf