2001年07月16日
ウィンテックポリマー、環境適合型難燃樹脂を開発
非赤燐系ハロゲンフリー難燃ポリエステル樹脂を今秋上市
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ウィンテックポリマー、帝人、ポリプラスチックス

 ウィンテックポリマー(社長:岡田俊彦、本社:東京都千代田区)は、市場における難燃系樹脂素材のハロゲンフリー化の要求に応えて、このほど、環境によりやさしい非赤燐系ハロゲンフリー難燃PBT樹脂とPET樹脂の開発に成功したと16日発表した。
 最近は、環境問題への取り組みが世界各地で益々高まっており、欧州連合では今年5月に家電リサイクル法案が可決され、2006年からの電気・電子製品の分別回収と再利用率が定められただけでなく、これらの製品への水銀、カドミウム、鉛などの有害物質の使用が禁止され、臭素系難燃剤もPBB、PBDEについては使用が制限されている。このため、欧州へ多くの製品を輸出している日本の電気・電子機器メーカーや事務機器メーカーも、自社製品のハロゲンフリー化の方針を強く打ち出してきている。
 ウィンテックポリマーは、ポリプラスチックス(社長:神村安正、本社:東京都千代田区)と帝人(社長:安居祥策、本社:東京都千代田区)の合弁会社で、両社のPBT樹脂事業並びに帝人のGF強化PET樹脂事業を統合継承して今年1月に営業活動を開始している。ハロゲンフリー難燃PBT樹脂については、ポリプラ、帝人時代からそれぞれが開発に取り組み、共に赤燐系ではハロゲンフリーの技術を完成させていた。しかし、赤燐系難燃グレードは、赤燐の色を反映するため黒色しかできず、また成形時に極く微量ではあるものの赤燐由来の分解ガスを生じるためユーザーが換気対策を講じる必要があるなど使いにくい面もあった。
 そこでウィンテックポリマーでは、両社の技術を融合結集し、さらに環境にやさしい非赤燐系でのハロゲンフリー、アンチモンフリーの難燃ポリエステル(PBTならびにGF強化PET)樹脂を開発するに至ったもの。今年8月からサンプルワークを開始し、今秋の上市に向けて、期待される用途に応じ必要な特性を付与したグレードラインアップを順次進めていく考え。
 PBTおよびGF強化PET樹脂は、優れた機械的特性、電気特性、耐薬品性、難燃性おおび寸法安定性等から、電気・電子、自動車、事務機器等の一般機器分野で幅広く使用されている。ウィンテックポリマーは、今回開発したグレードによって、特にハロゲンフリー難燃を強く要求される電気・電子分野を中心に用途開発を進め、顧客の期待に応えていきたいとしている。