2007年04月05日
PTAのスポット価格がアジアで急騰
直近の中国のCFR価格はトン890ドルに
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにPTAメーカー筋の調べによると、アジアのPTAのスポット相場がここにきて急騰してきた。
 
 最大消費国である中国向けの直近のCFR価格はトン当たり890ドルで、3月の平均に比べると35ドルもの上昇となっている。2月比は38ドル高となる。
 これには、原油の国際スポット価格がイラン情勢の悪化で急騰してきたことによってパラキシレン(PX)の国際価格が各地で高騰してきたことが大きな誘発要因になっていると見られる。現に、最近の中国のPTAの需要家やトレーダーの中にはPXとPTAの先高を予想してこれまで以上に積極的にPTAの買い付けに動くところが出てきているという。
 
 こうした市場の変化を見据えて、中国の揚子石油化学は、中国国内のポリエステル企業に対して4月の納入価格をトン当たり200元引き上げて8,400元にしたい考えを表明したと伝えられる。ドルに換算すると870ドルということになり、3月のファイナル価格に比べると55ドルの値上げとなる。
 
 わが国のPTAメーカーもこれに追従したい構え。三井化学もその一つで、少なくとも原料PXの4月の価格のアップ分見合いの底上げは目指したいとしている。