2007年04月09日
Degussa、上海でのMMA計画の承認取得
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)
 国家発展改革委員会(NDRC)は3月末にDegussaの上海ケミカルパークでのMMA計画を承認した。

 昨年12月5日に発表した計画では、上海にMMAとメタアクリル樹脂のVerbund production (統合生産ネットワーク)を建設するもので、250百万ユーロを投じて年産10万トンのMMAモノマーとメタアクリル酸、樹脂を生産する。立地は上海ケミカルパークの同社敷地で、2009年のスタートを目指す。

 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=20339

 計画の詳細は明らかにされていないが、業界筋によると、以下の製品が含まれている。
 イソブチレン 105千トン
 MMA    115千トン
 メタクリル酸  15千トン
 ブチルメタクリレート 20千トン
 PMMA    40千トン

 Degussa のMMA事業は元のRohm (旧称 Rohm & Haas)の事業で、1989年にHuls がRohm を買収した。

 1899年にHulsとDegussaと合併してDegussa-Hulsとなり、2001年にSKW Trostbergと合併して現在はDegussaとなっている。

 2005年にCytexとの50/50JVの米国のMMAメーカー Cyroを100%子会社としている。
(注 米国のRohm & Haas は当初はドイツのR&Hの米国子会社で、第一次大戦時に独立した)

 同社の欧・米のMMAはともにACH法であるが、今回の上海のMMA計画遂行に当たり、同社は昨年4月に日本メーカー(名前を明らかにせず)から直酸法の技術を導入した。

 同社ではこれと自社の技術を組み合わせ、高品質MMA生産に向け歩を進め、業界における力を強めるとしている。

 Degussaは1990年代初めから中国に進出し、幅広くスペシャルティケミカルの製造販売を行っており、製造拠点も多数もっている。2005年時点で中国での従業員は2,200人以上、売上高は275百万ユーロに達している。

 上海ケミカルパークではコーティング原料部門がポリエステル樹脂と着色料を製造している。

 なお、上海ケミカルパークではLucite がACH法で100千トンのMMAモノマーを製造している。
Lucite は1999年に Ineos と Charterhouse Development Capital がICIのMMA事業を買収して設立した。

 また、三菱レイヨン100%の恵州恵菱化成有限公司が昨年末に広東省恵州大亜湾経済技術開発区でMMAモノマーの生産を開始している。能力は9万トン(スタート時は7万トン)。

 同社は中国で、1998年4月からMMAの誘導品であるブチルメタクリレート(6.4千トン)を「蘇州三友利化工有限公司」で、2003年12月からアクリル樹脂成形材料(4万トン)を「南通麗陽化学有限公司」で、さらに同工場に隣接して2005年6月にはアクリル樹脂板(2万トン)と塗料用アクリル樹脂(3.5千トン)を「三菱麗陽高分子材料(南通)有限公司」で、それぞれ稼働させている。