2007年04月16日
新日鐵化学、米UDC社と有機EL・赤色燐光デバイスの高性能化実現
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:新日鐵化学

 新日鐵化学は16日、米国・UNIVERSAL DISPLAY CORPORATION(UDC)と連携し、駆動寿命や輝度効率などが大幅に向上した有機ELディスプレイ用赤色燐光素子を開発したと発表した。
  
 両社は、これまで携帯電話ディスプレイ向けに赤色燐光材料(2004年)を世界で初めて実用化したのをはじめ、緑色燐光素子性能の大幅進展(2006年)などの成果をあげてきたが、今回の開発はこれらに続くものとなる。
 
 燐光発光基本技術の権利を持つUDCの赤色燐光発光材料「UDC−RD39」と、新日鐵化学の「赤色ホスト材料」を組み合わせた。従来の性能を下記の通り大幅に上回る基本特性を有している。
 
  <基本特性>
  ◆駆動寿命 ⇒ 初期輝度1000cd/平方メートルで22万時間(従来比5倍)
  ◆輝度効率 ⇒ 24cd/A(従来比60%向上)  ※(cd=カンデラ)
  ◆外部量子効率 ⇒ 1000cd/平方メートルで19%
  ◆色座標 ⇒ C.I.E.(0.65,0.35) 
 
 新日鐵化学は、複素環式芳香族化合物誘導体や、医農薬中間体製造などで蓄積した技術を活かし、早くから有機EL材料の事業化に取り組んできた。独自開発の昇華精製技術、不純物コントロール技術など、超高純度製品を安定的にかつ大量に製造できる設備・技術の開発のほか、燐光材料では世界初となる実用化を実現した。
 
  UDCは、有機EL分野における燐光発光基本技術(PHOLEDTM)の権利保持者で、燐光発光技術では世界的リーディングカンパニーとして知られる。有機EL技術では、プリンストン大学、南カリフォルニア大学およびミシガン大学と協力関係にあり、材料や素子構造等に関する各種重要技術を保有している。
 
 【 UNIVERSAL DISPLAY CORPORATION(www.universaldisplay.com)の概要】
 ◇設 立 : 1994年
 ◇本 社 : 375 Phillips Boulevard, Ewing, New Jersey 08618, USA
 ◇代 表 者 : Steven Abramson, President
 ◇売 上 高 : USD 10.1 Million (2005年)
 ◇事業内容 : フラットパネルディスプレイ、照明及び光学電子機器類用の有機EL技術・製品の開発及び有機EL技術ライセンス供与
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1176690264.pdf