2007年04月20日
江蘇・常州市が東京で相互貿易投資相談会
日系400社が進出 人材の大量募集も
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 江蘇省の常州市は19日、東京のニューオータニホテルで同市の投資環境説明会と高級人材の募集を行った。これまでに機械製造(建築、紡績、ディーゼルなど)、電気機関車、化学工業、電子情報、プラスチック加工などの産業が発展、今後は新素材材料、生物医薬、ソフトとアニメに重点を置くという。参加者約600人を数えた。

 100人を超える市の幹部が出席、趨宏国代表(市委副書記)は「沿海地域都市の一つとして長江デルタの中心にある市は、この10年間に年平均16.5%の経済成長が続き、2006年のGDPが1,560億元、市民一人当たりで5,000ドルと3倍を超えた」と急成長を示し、さらに内外の人材による発展を目指すと強調した。

 常州市は無錫市と南京市の中間にあり、最近完成した高速鉄道で上海から160キロ、1時間10分の距離。交通の便に恵まれ、すでに製造業約3万社が立地している。このうち外資企業が5,500社、日系は420社に及んでいる。

 日系では東芝、松下電器産業、日立、三菱重工業、新日鉄、新日鉱、富士通、ブリヂストン、東京製綱、伊藤忠商事、沖電気、小松、三菱化学、大日本インキ化学、三菱電機、デンソーなど。世界トップ500社のうち41社が進出。

 産業用地は国家クラスの開発区が2か所、省クラスは10か所。また、輸出加工団地、保税物流団地、港倉庫団地などが整備されている。昨年、全国都市創新環境評価で7位、中国投資環境ベスト100社に入った。

 省クラスの開発区は常州新北工業園区、金壇経済開発区、常州ハイテク技術開発区、漂陽経済開発区、武進経済開発区、武進ハイテク技術開発区、常州天寧経済開発区、戚墅堰経済開発区、鐘楼経済開発区、漂陽天目湖旅行リゾートエリアがある。

 特に新北工業園区は市から長江までの約20キロを広く埋め尽くしており、交通、立地的に今後,最も発展するか可能性が大きい。特色あるハイテク基地としては塗料、製薬、交通・部品製造、ソフトウエア、精密化学品、新素材などがある。

 産業の特色では小松のパワーショベルが全国シェアの18%、東芝の500キロボルト超高圧変圧器が33%、富士通の銀行ATM器関連が40%を占め、三菱重工業と日立の製鉄設備が急成長を続けている。

 市には2500年の歴史があり、昔は呉の国に属していた。仏像の天寧寺、道教の茅山、緑の仙境といわれる天目湖が有名。江南地方を代表する観光農園が11か所もある。市の面積は4,735平方キロ、人口350万人。

 大学・学院は6校、在校生10万人を数える。職業専門学校が多い。市では「人材は発展のエンジン」の考え方で、人材育成に力を入れる。今回も海外留学経験者を1,000名、管理・技術職100名受け入れるという高級人材の招せい策を発表した。 問い合わせは日中交流促進機構(TEL:047−426−4188)