2007年04月23日
中国・朝陽市が産業投資を呼びかけ 説明会
高性能活性炭と温泉施設開発、農産品加
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 遼寧省の西側にあり、河北省、内モンゴル自治区と接する朝陽市は、同省が手がける遼寧西部沿海経済区開発に合わせ、市の経済発展計画を打ち出した。その手始めに先週、張鉄民・市長を団長とする訪日団が来日、市の経済概況を説明、高性能活性炭産業と温泉業の誘致を呼びかけた。

 朝陽市は内モンゴル高原から渤海沿岸の平原部に至る地域に位置し、遼寧省の直轄14市の一つ。総面積2万平方キロ、人口340万人。市管轄の龍城、双塔両区の人口は30万人。紀元前5−6世紀の文化遺跡・牛河梁紅山があり、紀元前3世紀の柳城県、4−5世紀の燕城など中華文明の発祥地。唐時代は東北唯一の重鎮といわれた。

 小麦、トウモロコシ、ニワトリなどの農畜を基幹産業としているが豊富な鉱物資源(830)があり、製鉄所、ディゼルエンジン工場、タイヤ工場が活躍している。また、特産品であるあんず(杏子)の皮を焼成して作る高性能活性炭産業が発展している。

 この活性炭を生産している朝陽森源活性炭は98年にスタートした。現有能力の年1,500トンを07年内に3,000トンに、さらに08年には5,000トンに増強する予定。すでにスーパーコンデンサーの電極用に米、日本、韓国などに輸出している。

 また、同社の活性炭を利用するため米カルゴン社と三菱化学の合弁会社・三菱カルゴンが昨年7月、同市に進出した。市では製品の付加価値率(55−60%)が高く、今後も外資を誘致したいとしている。

 あんずの加工ではエッセンシャルオイルを取り出し、血圧・コレステロールの降下剤、健康茶、栄養剤などの原料用として供給している。カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、ヨードなどの微量元素が含まれているという。

 市には経済開発区があり、中国石化、中国黄金総公司など約200社が進出、このうち外資がマックスゥエル(スーパーコンピュータ)など29社(日系は1社)。市は承徳市まで170キロ,瀋陽市まで400キロ、北京市まで380キロ。

 熱水湯(47−48度C)の凌源は唐時代からのもので中国の8大温泉の一つ。硫酸イオンの含有量がミリグラムあたり36%、重炭酸イオンが47%、ナトリウムイオンが95%などでこのミネラルウォーターは筋肉と表面の熱を散らし、血をきれいにするほか、炎症をとり痛みをとるという。
 
 1日当たりの出水量は1,000−1,500トン。開発面積は6平方キロ、建築計画は117平方メートル、投資予定額12億元である。 問い合わせは国際貿易促進協会(Tel:03−3506−8282)


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