2007年04月26日
南京市、5年でGDPを倍増 エチレン240万トンに
東京で発表 IT、自動車、石油化学、サービスなど強化
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 江蘇省の省都・南京市が2010年までの5カ年間に、GDPを05年の2,400億元から5,000億元に倍増する計画をまとめ、このほど東京で発表した。主な強化事業はIT、ソフトウエア、自動車・部品、石油化学などのほか、サービス、物流に重点を置く方針である。また、今年の12月13日に日中交流の資料館「平和の舟」を開設する。

 出席したキン道強副市長は「南京のIT産業は06年の生産額が1,000億元をこえて、全国1位になった。デスプレイ、通信、パソコン、ソフトウエアなどが好調だ。石油化学も伸びている。現在のエチレン年産125万トンを10年までに240万トンに増強する。自動車は10年に年産100万台にし、エンジン、電子部品も増強する」と語った。

 IT産業は10年に2,200億元に増やし、石油化学ではエチレンのほかPTAを年70万トン、アルキルベンゼンを30万トンに増強する計画。独BASF、三菱ガス化学、伊藤忠商事などの外資が活躍している。製品は約600種。

 自動車は50年以上の歴史があり、現在、長安マツダ、南京自動車など8社が生産しているが、10年には100万台の生産能力のうち、70万台を乗用車とする予定。特にエンジン、自動車用電子部品に力を入れる。

 市のサービス業は過去10年に年率12%を超える成長を見せ1,167億元とGDPの47.5%を超えるまでになった。(工業50%、農業2.5%)アウトソーシングの基地(全国11基地のひとつ)が富士通、IBM、華為などによって構築された。今後100社を目指す。

 ソフトウエア基地(全国6つ輸出基地に1つ)の生産額は江蘇省の91%を占め、35億ドルを輸出している。南京では外資が物流、情報システムに投資できる。南京は10年に港湾の貨物取扱量年2.5億トン、空港で1,000万人の扱いを見込んでいる。

 金融、保険については現在の銀行24社、保険30社を120以上に増やす。このため河西新区CBD金融区の設置を計画している。

 南京の優勢は立地と人材。長江デルタの4大都市のひとつであり、港湾はアジア最大、禄口国際空港は全国第5位。06年のGDP2,774億元、一人当たりGDPは約4万元(1元は16円)。
 
 財政収入503億元。61の大学(在学生56万人)、543の研究所がある。市の面積6,597平方キロ、人口750万人。気質は温厚、寛大といわれる。 

 投資環境第5位、生活環境第2位の評価がある。海外からの観光客は100万人。4つの国家級開発区、8つの省級開発区を持ち、世界500社の76社が進出している。輸出315億ドル。外資が市の固定資産の20%を占める。

 日系企業はマツダ、シャープ、太平洋セメント、日立など488社。投資額12.7億ドル(実質10.3億ドル)。貿易額28.4億ドル(27.8%)で第5位。

 問い合わせは南京市日本駐在事務所(TEL:080−5650−9083、FAX:03−3586−7815)

 ●副市長の名前のキンの字は「革」の右に「斤」