2007年04月26日
浙江・紹興市が経済交流を呼びかけ
自動車・部品など日系250社が進出
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 伝統の紹興酒で知られ、文化都市、民間・外資の経済都市として発展している中国浙江省の紹興市が日本と自動車・部品産業の交流を深めるため、24日、東京で投資環境セミナーと懇談会を開いた。

 中国自動車流通協会、自動車部品国際合作専業委員会が主催、ジェトロ、国際貿易促進協会、NPO大田区国際交流産業促進協会が協力、紹興市政府が協賛した。また、八杉理・中国自動車産業研究領域主事研究員が日中両国の自動車・部品の将来性について講演した。

 訪日代表団(18名)を代表して夏久傳・市副秘書長は「市のGDPは06年で200億ドルを超え、市民一人当たり4,800ドルとなった。対外貿易額は140億ドル。杭州国際空港(東京、大阪より直行便)からわずか30分、港湾都市の寧波まで1時間、上海まで2.5時間の距離で長江デルタの重要都市で、産業基盤も整っている」と投資を呼びかけた。

 同市は日本、米国など世界26カ国・地域と友好姉妹都市・交流関係を結び、外資企業の投資は50億ドルに及ぶ。世界500社のうち9社が進出している。すでに金融、通信、貿易などのインフラ設備があり、外商投資促進センターとサービスセンターも設立した。

 民間と外資経済で市の95%を占め、市場経済体制を築いている。市には12か所の開発区がある。市と上海を結ぶ浙江湾大橋が完成すれば1・5時間に短縮され、さらなる発展が期待されている。

 市には自動車部品、紡織、機械、電子情報、医薬、食品などの産業が発達している。自動車部品ではアルミホイールのアジアの最大生産基地、バルブが世界市場の30%、軸受けが11%を占める。ブレーキ、エアコン、コンプレッサー、内装部品なども生産している。

 日系企業は松下電器産業、伊藤忠、豊田通商、丸紅、双日など250社余が進出、2億ドル以上を投資している。市の対日貿易は8億ドル。市内に大学5校、専門校が40校ある。

 同市は観光都市としても有名で、国内から年間1,500万人、海外から20万人余(うち日本から30%)の観光客が訪れる。とくに東北大学で学んだ中国近代の文豪・魯迅や周恩来主席の故郷として人気がある。書家の王儀之の蘭亭序も知られる。

 講演した八杉氏は「中国の自動車産業は02年から伸び、同年の325万台から06年に728万台増えた。90年代に外資が出て、80年代のノックダウン(KD)から合弁生産に移行した。現在はメーカーが100社以上(登録116社)あり競争が激しい」とし、「この中で06年の生産はGM689万台(世界)、中国第1汽車85万台と差があるが、中国産車(奇瑞、吉利、神龍など)のブランド化も進んでいる。中国メーカーの課題はトランスミッション、エンジンなど部品の性能向上だ」と部品の品質強化、低コスト化が重要になっていることを指摘した。
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