2007年05月10日
DICの07年3月期決算、営業益が3.8%増
今期も実質は7.1%増を見込む
【カテゴリー】:経営(人事/決算)
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業の07年3月期決算は、売上高が前期比1.1%増の1兆156億6,400万円、営業利益が同3.8%増の513億9,000万円、経常利益が同4.2%減の464億4,600万円、当期純利益が同4.2倍の224億6,700万円となった。ただし同社では、為替の影響の排除後の前期比は、売上高が2.8%増、営業利益が1.4%増になると説明している。

 売上高が増えたのは、主力の印刷インキの販売活動が堅調に推移したのに加えてエポキシ樹脂、PPSコンパウンド、機能性光学材料、環境調和型樹脂などが順調に伸びたためと述べている。
 また営業利益が伸びた要因としては、各種製品の販売価格の是正と合理化の進展の2点が挙げられると説明している。経常利益が減益となった最大の要因は、事業の再編に伴って持分法利益が減少したことにあるという。

 この日記者会見した小江紘司・同社社長は、07年3月期の業績を振り返って「原燃料価格の高騰に悩まされたが、さいわい主力の印刷インキの海外販売価格を引き上げることができ、また、工業樹脂や液晶関連製品の事業が順調に伸びたため売上面でも営業利益面でもなんとか当初の目標をクリアすることができた」と述べ、次いで「引き続き環境対応型の新製品の開発・上司に大いに力を入れて増収・増益を維持していきたい」と今後の業績の拡大に対する旺盛な意欲を披露した。

 同社の今期の業績予想は、売上高が1兆400億円で07年3月期比2.4%増(為替影響排除後は3.3%増)、営業利益が540億円で同5.1%増(同7.1%増)、経常利益が46億円で同1.0%減、当期純利益が260億円で同15.75増となっている。売上高と営業利益の拡大を予想しているのは、印刷インキ、PPSコンパウンド、機能性光学材料などが順調な伸びを遂げる見通しにあるためと説明している。なお、今期は税制改正に伴う国内での減価償却費が17億円増える見通しという。