2007年05月17日
東セロ、シリコーンコートフィルムの増設に着手
来年2月から稼動開始、総生産能力が3割増
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東セロ

 プラスチックフィルム大手の東セロはこのほど同社茨城工場内でシリコーンコートフィルムの製造設備の増設工事に着手した。
 現在稼動中の1〜3号機に年間8,000万平方メートルの生産能力を持つ第4号機を増設するもの。完工と稼動開始時期は来年2月となる見込み。これによってシリコーンコートフィルムの総生産能力は約3割拡大されることになる。
 
 シリコーンコートフィルムはPETフィルム等にシリコーンを塗布した機能フィルム。剥離性が優れているためパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、DVD等の電子機器に使用されるセラミックコンデンサー向けと、電子部品封止用接着シート向けとを中心に需要が順調に伸びている。
 
 最近の東セロは、高度な技術力を生かした産業用機能フィルムの事業の充実・強化によって体質の強化と業績の拡大を図っているところ。06年度の決算は売上高が11.8増、営業利益が51.8%増、経常利益が57.2%増、純利益が51.6%増となり、売上高は1998年から8年連続の増収、そして利益は全て3年連続の増益となった。
 こうした業績の急拡大には、包装用フィルムの価格是正に加えて産業用機能フィルムの市場の拡大が大きく寄与した模様。その中心となっているのがシリコーンコートフィルムで、今回の増設によって同社全体の企業基盤は一段と強化されることになりそう。