2007年05月21日
電子情報、自動車部品産業を積極的に誘致 仏山市
広州と連携、「広仏都市圏」で国際産業基地を目指す
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 広東省仏山市は第2の発展期ともいえる今後の産業計画で、広州と連動した「広仏都市圏」構築を進めているが、その具体案をまとめ日本企業に参加を求めている。5月16日ホテルニューオータニで市の投資環境説明会を開き、李子甫・副市長が講演した。

 日産、ホンダ、トヨタの日系自動車3社の広州進出によって、珠江デルタ地区の産業活動が活発化する中、仏山市は電子情報技術と自動車部品の2大産業を、まず発展させようとしている。

 東側の広州から車で45分、広州国際空港まで35分、香港まで231キロ、マカオまで143キロなどの立地の優位性や鉄道、高速道路、水路といった交通・インフラの便利性を強調。珠江デルタで経済成長が最も高い。

 市はここ数年で急成長、06年のGDPは対前年比19.3%増の2,926億元(広州6,068億元、深せん5,684億元)となった。人口は広州の1,043万人に対し、579万人。年間輸出入総額は300億ドル、このうち輸出は200億ドル。

 古くから産業集積地として発展、電機・機械、紡織・アパレル、陶磁器・建材、電子情報、金属材料加工、石油化学・医薬、食品飲料、家具などの産業や物流センターが発達した。

 市の面積は3,848平方キロ。行政の禅城区、東芝などの順徳区、JSRなどの三水区、デンソー、旭硝子の南海区、松下、東芝などの高明区の5区で構成。仏山国家ハイテク産業開発区、禅城経済開発区、南海経済開発区、順徳工業園区、三水工業園区、高明工業園区など7つの工業団地があり、約3,000社が立地している。

 市の自動車部品メーカーは約300社、うち外資系は100社。日系はホンダ、デンソー、豊田紡織、豊田通商、豊田合成、豊田工機、東海理化、愛三、光洋精工、神戸鋼、ユアサ、日本制動器、矢崎、住友商事など。総投資額116億元。

 広州での自動車生産は06年に55万台、10年には130万台になるとみている。130万台の生産額は3,000億元、部品の生産額は1,000億元と予想。中国市場の4分の1を占める珠江デルタのマーケットに期待を寄せている。

 市ではとくに自動車電子部品として電子制御装置の生産に力を入れる。エンジン、シャーシー、車体に関し、電子制御燃料油噴射システム、ABSシステム、アンチスキッド装置、電子制御サスペンション、同トランスミッション、電子動力ステアリングシステムなど。

 また、クラッチ、ブレーキ、サスペンション、排気ガス浄化装置、プラスチック成形、合金ハブなど。カーステレオ、GPSシステム、通信システムなど車載エレクトロニクス製品も対象にする。金属金型産業は華南地区最大の基地(847社、生産額約700億元)があり、さらに発展させる。

 電子情報産業ではとくに世界レベルのTFT-LCD(薄幕トランジスタ液晶)基地を目指す。ほかに光データメモリシリーズなど。