| 2007年05月22日 |
| 廃プラ再商品化のMR優先策の見直し要求が相次ぐ |
| 鉄鋼連盟やガス化グループに加えて自治体も |
| 【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:なし |
容器包装リサイクル法に基づく分別収集プラスチック製容器包装の最商品化(リサイクル)の在り方を巡る論議が盛んになっていく中で、材料リサイクル(マテリアルリサイクル=MR)手法優先策の見直しを求めて関係審議会に要望書を提出するところが相次ぎはじめた。 産業構造審議会環境部会の「廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係わる再商品化手法検討会」と中央環境審議会の「廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係わる再商品化手法専門委員会」に対しては、鉄鋼連盟や容器包装リサイクル法認定ガス化再商品化グループがMR手法優先の現在の政策の見直しを強く求める意見・要望書を提出、また、全国清掃事業連合会や日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会も同様の見解を表明している。 その一つの鉄鋼連盟の意見書は、はじめに「鉄鋼連盟は使用済みプラスチック100万トンの活用によるCO2削減策を推進しているが、材料リサイクル優先の入札制度によって競争が限定されて07年度の鉄鋼業界のケミカルリサイクルの落札量は05年度より5万トン少ない21万トンにとどまっている」と原料不足に陥っている厳しい現状を紹介、そして「リサイクル事業者の入札は、あくまでも再商品化製品の品質や資源の有効利用に対する効果および環境負荷に関する評価を行った上で実施すべき」と指摘した上で「材料リサイクル事業者からのCO2の排出量が増加することがないように材料リサイクルの落札量は現状以下にとどめるべき」と主張している。 また、昭和電工、イーユーピー、ジャパン・リサイクルなど5社で構成するガス化グループは、「ガス化手法は、得られる製品が化石原料によるものと全く同じなので既存の市場で円滑に消化・利用されて資源の有効利用とCO2削減が図れ、また、容リプラをほぼ完全なかたちで有効利用できるので材料リサイクルに見られる残渣物処理による環境負荷をもたらす心配もない」とケミカルリサイクル法の持つ強みを強調、そして「それにも係わらず材料リサイクル優先策が取られているためケミカルリサイクル事業者は稼働率の大幅な低下に悩まされていて、このままでは市場からの撤退を余儀なくされる」と現在の窮状を訴えるとともに「現在の材料リサイクル優先策を早急に改善し、平成20年度の入札選定方式を実効性のあるものにして欲しい」と要望している。 自治体や消費者グループの中にも同様の見解を述べる向きが増えているだけに行政当局がこうした声をどう受け止めていくかが注目される。 |