2007年06月11日
中国の天然ガス需要、2010年で1,000億立方メートル  
利用都市、60余から270カ所に拡大
【カテゴリー】:海外
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 天然ガス資源の開発が進む中国で、2010年までの需給見通しが明らかになった。国家発展改革委員会は先に、10年に生産量が920億立方メートル(05年493億立方メートル)に達すると予測したが、同年には1,000億立方メートルの生産も可能な状況になっているといわれる。

 これは四川省(達州、広安)、唐山、海南、新疆ウイグル地区などで天然ガス油田の発見が相次いでいるためで、利用する都市も現在の60都市から10年には270都市に増えるとの予想が出されている。

 一方、中国の調査会社によると、需要は今後10年間に年率11−13%の伸びが見込まれ、10年には1,000億立方メートルを超えるとみている。従って供給は100億—2200億立方メートルの不足が見込まれるわけで、天然ガス油田の今後の開発に期待が寄せられている。

 2020年の需要は2,000億立方メートルを超えると予想されることからも、開発が待たれる状況。

 注目されるのは、天然ガスの燃料としての利用に加えて、化学工業の原料に使用する動きが高まっていること。四川省達州や広安市では大型化学工業プロジェクトの実現を目指している。

 広安市はファインケミカル工業拠点の建設を計画、アセチレン,オレフィン、イミノジアセトニトリルなどの製品化を行う。また、海南省の海口では中海石油化学が大型メタノール、ホルマリン設備の建設を急いでいる。