2007年06月21日
三井・デュポンが価格の再修正を表明
7月15日出荷分からキロ15円引き上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井・デュポン・ポリケミカル

 三井・デュポンポリケミカルは21日、EVA樹脂、EEA樹脂など合計6種類の機能性ポリマーの国内販売価格を7月21日出荷分から1キログラム当たり15円以上引き上げることにしたと発表した。

 対象は、同社が製造販売しているEVA樹脂(商品名:EVAFLEX)、EEA樹脂(同:EVAFLEX-EEA)、アイオノマー樹脂(同:ハイミラン)、酸コポリマー樹脂(同:ニュクレル)、多目的シール樹脂(同:CMPS)、高機能接着性樹脂(同:HPR)の全グレード。

 これらの品種の場合は、5月に続いて今回が今年2度目の値上げとなる。前回は、4月以降の国産ナフサ価格が1キロリットル当たり6,000円上がって56,000円を超えることになると判断して1キログラム15円以上(熱可塑性レラストマーは同50円以上)を目標に値上げに踏み切り、ほぼ全ての需要家の同意を得るのに成功した。しかし、その後もナフサの国際価格の高騰が続き、7月以降の国産ナフサ価格が同63,000円超えとなるのが必至の見通しとなってきたことから採算割れを防ぐため再修正に踏み切ることにしたもの。

 主原料のエチレンや副原料のコストの大幅アップにとどまらず重油価格の高騰に伴って用役費も著しく膨らむことになるので自助努力では到底カバーできず、再度製品価格への転嫁を目指すほかなくなったと同社では説明している。ただし、エチレン系特殊共重合樹脂(同:エルバロイ)など米国側の親会社であるデュポンから輸入している製品や熱可塑性ラストマー(同:アルクリン)については今回の対象から除外する。

 同社が企業化している品種は、いずれも同社特有の優れた機能性が最大のセールスポントと言える製品。需要は先端技術産業の市場のニーズの高度化と多様化の進展に歩調を合わせるかたちで順調に拡大、このためかねてから岩国と千葉の両生産拠点の設備はフル稼働が続いている。