2007年07月12日
酢ビのアジア価格が急騰、1,200ドルに
酢酸も品不足で700ドル後半に急上昇
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
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 米・セラニーズの大型酢酸プラントの修復が近いと伝えられているにもかかわらず、アジア地域におけるアセチル製品の市況は依然として上昇を続けている。

 特に上げ幅が大きいのは、需要の伸びが著しいEVA(エチレン酢ビコポリマー)による消費量が大きい酢ビモノマーで、直近のCFR価格の平均はトン当たり1,200ドルに達している。1ヵ月前に比べると200ドル近い値上がりとなっている。
 また、酢酸のスポット価格も急騰している。直近のCFR価格は同700ドル後半で、1ヵ月前に対比すると80ドル高となっている。
 
 いずれも、酢酸ならびに酢ビの世界最大メーカーであるセラニーズの米クリアレーク工場内の年産120万トン能力の酢酸プラントが事故によって5月中旬以降運休を続けているため世界全域でアセチル製品全体の需給が急速に逼迫してきたことによるもの。16日には復旧作業が完了して再稼動すると伝えられているが、わが国の市場関係者の多くは需給バランスがかつてのようなウエルバランスになるまでには3ヵ月前後かかると判断している。
 需給の逼迫度が特に強いアジア地域における最近の需要家のオファー価格は週単位で上がっており、このため8月渡しの酢酸のCFR価格は同800ドル台に、また酢ビは1,250ドルになるとの見方が関係者の間に広がっている。