| 2007年07月13日 |
| 東南アジアではエチレン相場が下降 |
| イランからの大量流入が影響 |
| 【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況) 【関連企業・団体】:なし |
東南アジア地域におけるエチレンのスポット価格が軟化してきた。アジア地域では、長年にわたって東南アジアにおけるスポット相場が極東のそれを上回るパターンが定着してきた。しかしここにきてわずかながら逆転現象が生じる事態となっている。 大手商社筋によると、直近の東南アジア地域のCFR価格はトン当たり1,030ドルで、極東の平均を同20〜30ドル下回っている。極東の相場は、各種誘導品の相場の上昇に誘発されるかたちで強含みに転じているが、東南アジアの相場は6月中旬の平均を80〜90ドル下回るレベルになっている。 この要因は、今年春にマルーンの年産110万トン能力の大型エチレンプラントの本稼動を開始したことで大幅なエチレン過剰状態に陥ったイランから大量のエチレンがタイ、インドンシア、フィリピン等に流入し始めたことにある模様。 4月以降、毎月4〜5万トンのエチレンがイランから東南アジアに持ち込まれており、これが相場の軟化をもたらしているのは間違いないと見られる。イランからの流入は、同国内の誘導品設備の新増設が完了する今年秋口まで続くと見る向きが商社筋には多い。一方の極東のスポット相場は、ポリオレフィンなど誘導品の需給バランスが崩れない限り強含みで推移することになりそうだ。 |