2007年07月17日
山東省が経済発展と投資環境の計画説明
省エネ、環境対策プロジェクトにも重点
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 青島、威海、煙台、済南などを管轄する山東省は2010年を目指す第11次5カ年計画の具体案をまとめ、日本企業への協力を呼びかけるため東京、名古屋、大阪で投資環境説明会を開いた。とくに省エネ、環境対策に新たなプロジェクトを設定している。

 今回の訪中団は才利民・副省長を団長に省発展改革委員会、省経済貿易委員会、省環境保護局、省対外貿易経済合作庁ら幹部約100人で構成、過去最大のメンバーで積極的な取り組みをみせている。

 才団長は「日本との交流を深めるために来日した。山東省は対外開放政策をとっており、これまでに外資企業2万112社(うち日系4,269社)が進出、652億ドル(同54億ドル)を投資した。環渤海経済圏の中心地で交通の要所でもある。今後は効率を重視して製造業、ハイテク業、サービス業、農業に力を入れたい」と語った。

 同省は面積15万7,000平方キロ、人口9,309万人、06年のGDP21,846億7,000万元(対前年比14.7%増、16年間連続2ケタの伸び)、輸出入額953億ドル(うち対日128億ドル)。経済規模は中国第2位である。

 産業は農業の生産額が06年で4,056億元(対前年比5.2%増)、輸出が全国の4分の1を占めている。牧畜、水産業も盛んだ。とくに水産業は3,002億元、757万トン、対前年比20.6%増、中国最大。

 工業は化学、冶金、機械、造船、自動車、電子、家電、紡織、建築材料、食品加工などが発達し、青島ハイアール、煙台東岳、済南重汽、新華製薬などのブランドが知られている。

 鉱物資源も150種と豊富。このうち58種は埋蔵量が全国トップである。石炭、石油、天然ガス、鉄、金、マンガン、クロム、有色金属などがある。勝利油田は第2位の生産拠点を誇る。

 また、金融業、物流業(約3,000社、伊藤忠が活躍)、商業、観光業なども発達している。省内には世界文化遺産の泰山、曲阜(孔子の故郷)、ビールの青島、ワインの煙台、仙境の蓬莱、海上スポーツの日照など数多い。省内の名所は670を数える。

 山東には国家クラスのソフトウエア産業パークが2か所、省クラスが4か所。中国ソフトウエア独立開発企業トップ30にランクされた企業が3社、中国ソフトウエア産業規模トップ100社では8社。済南市は全国サービスアウトソーシング拠点都市の名称を持つ。斉魯ソフトウエアパークは全国に11カ所ある国家重点ソフトウエアパークの一つ。輸出拠点。山東にはNECソフトウエア、TECSの日本勢や韓国などの外資企業が相次いで進出している。(省エネ・環境プロジェクトと交通、港湾などインフラ整備は別途掲載)

 才団長は、山東の特徴を・中華文明の発祥地の一つ・交通の要所・経済発展の実力・豊富な資源・文化遺産の観光の5つ挙げた。(問い合わせはTEL:03−3989−6770)