2007年07月18日
第11次5カ年計画 山東省の取り組み 
インフラと省エネ・環境対策プロジェクト
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 山東省発展改革委員会によると省は現代農業、機械製造業、サービス業、インフラ建設、建築業の5業種に第11次5カ年計画の重点を置くとしている。

 2010年までに鉄道2,000キロ、高速道路1,800キロ、港荷揚げ能力2.2億トン、発電能力3,100万KV、給水能力20億立方メートルを増強する。

 鉄道は西部の徳州から大家?までの270キロを増設(3.7億ドル)する。また、沿岸の青島から威海までの都市間鉄道も257キロ(171億元、時速200キロ)増設、威海—煙台—青島−ジャオ南(西南部)をつなぐ。

 機械設備製造業として電子情報、家電、機械・化工、食品、材料、紡績服装などの産業を近代化する。NC・デジタル制御システム、精密計測機などそして従来の製紙、プラスチック、タイヤ、セメント、板ガラスなどにも重点を置く。

 煙台自動車部品プロジェクト(福山自動車部品工業園など3園で構成)の活動を強化する。

 ハイテク分野として情報・電子業、生物・バイオ産業に重点を置く。また、新エネルギーと省エネルギー技術開発、海洋資源の開発と利用も対象とする。

 この関連で太陽エネルギー、医薬、ガラス製品、化工品を手がける力諾集団のハイビジョンTFT・LCDプリンタプロジェクトを支援する。藍星の非晶体ケイ素膜電池生産ライン(20MW)プロジェクトや済南国家情報通信国際創新園プロジェクトにも協力する。

 サービス業の人口を600万人に倍増、就業比率を35%に引き上げる。この関連で威海市の呼雷湯温泉開発プロジェクト(資金1億ドル)を推進する。

 省エネプロジェクトでは山東省として2010年までにエネルギー消費をGDP当たり22%(対05年)削減する。このため日、韓の業者20社を選出した。まず、生コン、キャストガラス、合板、石炭・水混合燃料などの省エネプロジェクト。太陽光発電、風力発電、植物繊維の燃料アルコール利用など新エネルギープロジェクト。

 このほか冶金粉末や木粉の再利用など資源再利用プロジェクト。アルカリ製造の冷却技術利用、逆浸透膜利用など海水淡水化プロジェクト。工業節水や汚染処理プロジェクト。

 環境保全対策としては22%のエネルギー削減を進めるため、60%以上の水域で水環境功能区基準を達成する、年間90%以上の日に国家2級大気環境都市基準を達成する(すべての火力発電所に脱硫装置を設置させる)、危険廃棄物、放射線廃棄物の安全処分率はそれぞれ95%、100%を達成するとしている。

 対策費は3,600億元。地方自治体、産業界、大学、研究機構などが協力、連携し環境産業育成のメカニズムを作る方針。これによって山東省は、今後10年の間に同省が全国最大規模の環境産業市場に成長するとみている。