2007年07月19日
昭電、青色LED生産に独自のPPD法開発
日亜化学など先行5社追撃、月産6000万個を2億個へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工、豊田合成、日亜化学

 昭和電工の18日の発表(既報)によると、同社は千葉事業所の窒化ガリウム系青色LED(発光ダイオード)素子の現在の月産能力6000万個を秋までに1億個、さらに08年6月まで1億個(資金50億円)増やし、合計2億個とする。

 ことしの予定生産額50億円にたいし08年は200億円を見込んでいる。この大幅増設は同社が独自に開発したPPD法(プラズマ物理気相成長法、窒化物半導体結晶用に開発した結晶成長技術)による革新的な製法に基づく。

 従来のMOCVD法(有機金属化学気相成長法、化合物半導体結晶製造の一般的な結晶成長技術)と組み合わせたハイブリットPPD法を採用することにより、LED素子の品質向上と世界トップクラスの高輝度LED素子の出力レベルを確保したとしている。

 世界のLED市場は現在、年6,000億円程度。07年は6,400億円、08年は7,200億円、08年は7,200億円、09年は8,000億円、10年は9,000億円と急性成長が見込まれている。

 このうち既存LEDは各年約2,200億円で推移するのにたいし高輝度LEDは2010年で3倍以上の生産が予想されている。同社は先行する高輝度LEDの日亜化学、豊田合成やクーリー、ルミネッセンス、オスラムの5社を追撃する方針。また、こうきどLEDの生産比率を現在の20%から80%に高めたい意向。

 同社ではハイブリッドPPD法により半導体基盤を2インチから4インチに拡大した。2インチ中心の他社よりコスト面で有利。窒化ガリウム系青色LEDは主に携帯電話、TVデスプレイなどに使われているが、成長率が年20%と高い液晶バックライト用などにもシフトする。

 高輝度LEDはバックライト(PC,モニター、カーナビ)のほか車載(内装、バックランプ、ヘッドライト)や照明(特殊、一般)、デスプレイ・アミューズメント・信号などの分野に伸びている。

 高輝度LED素子には青色LEDか紫外線LEDに蛍光体をプラスした疑似白色LEDとRGB(赤、グリーン、ブルー)白色LEDがあるが同社では、RGB白色LEDが色再現、性能に優れているため、これを大量に使う中小型液晶TV(500−1000個)、大型液晶TV(1000−2000個)向けに力を入れたいとしている。 

 同社ではは推進中の中期計画「プロジェクト・パッション」で、窒化ガリウム系LED(青、緑色)やアルミニウム、ガリウム、インジウム、燐の4つの元素化合物から構成される4元系超高輝度LED(赤、オレンジ、黄,黄緑色)を育成事業とし、積極的な資源投資を行っている。