2007年08月06日
東セロ、機能性CPP設備を新・増設
高付加価値フィルム事業を一段と拡充へ
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:東セロ

 東セロは、高付加価値CPP(PP無延伸)フィルム事業の拡充を目的に茨城県古河工場に新鋭設備2基を設置することになった。

 一つは、イージーオープンフィルム及びメディカル・電材向けフィルム用のCPP装置で、生産能力は年10,800トン。来年12月の稼動開始を目指す。投資額は約19億円。
 
 もう一つは、液晶TVの主要部材など電子部材の表面を保護するためのフィルムの製造装置。オレフィン系特殊ポリマーを原料に使用する。生産能力は同6,300トン。稼動開始は平成21年5月の予定。投資額は約20億円となる見込み。
 
 うち表面保護フィルム(商品名;ピュアテクト)は同社特有の多層共押し出しプロセスで製造されるもので、糊残りが少ないため被着体を汚染する心配がない点が大きな特徴。これまで同社では既存の製膜装置で同製品を製造してきたが、電子部材関連業界を中心とした市場で人気が高まって大量需要を確保していける見通しを得たため専用設備を新設することにした。
 
 東セロは、かねてから高付加価値フィルムの開発・上市に経営資源の多くを投入することでプラスチックフィルム市場に新しい領域を切り開いてきた。また、それによって収益力の強化も果たしつつある。今回の新鋭装置の新・増設が狙い通り高稼働率を維持していけば、同社の高付加価値品種の構成比率は一段と引き上げられ、企業体質もさらに強化されることになる。