2007年08月10日
中国、大型石油化学設備・技術は「国産」優先へ
国家発展改革委員会が審議用草稿に織り込む
【カテゴリー】:海外
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 中国は第11次5カ年計画(2006−2010年)で石油化学設備の大型化を計画、エチレン年100万トンクラスのプラントを約10カ所に建設する計画を進めている。これは2010年のエチレン需要が2,800万トンほどになると予測しているための措置だが、この中で中核となるエチレンプラントは、「国産」技術を優先していく方針とみられている。

 その指導を行う国家発展改革委員会(発改委)は、これまでに上海、広州・恵州、新疆ウイグル、天津、浙江・寧波、広州・茂名などの大型設備計画を認めてきた。また、設備建設については中国石油天然ガス集団、中国石化集団、海洋石化集団などへの集約化を進めてきた。

 一方、エチレン設備の技術は従来、独・BASF、英蘭・シエル、英BPなどからの導入に頼っていたが、天津プロジェクトについては中国の国産技術の採用に踏み切っており、今後とも国内技術の振興を図り、石油精製プラントのように普及を目指す意向とみられる。

 発改委の審議用草稿では石油化学企業が新プロジェクトを始める場合、装備明細の提出を義務付けている。このため、この段階で国産化が進んでいる設備・技術の採用を支持する模様だ。エチレン設備以外についてはまだ、時間がかかるものとみられている。

 同委は第11次5カ年計をスタートさせる時点で石化設備の国産化率75%の目標を立てており、この実施はかねて予想されていた。天津プロジェクトは10年の完成を目指しているもので、今後、認可するプロジェクトについては国内技術の優先策がとられよう。

 大型石化設備の国産化には根本的な指導や入札サイクルの改革が必要だと審議されている模様。すでに使用が普及している以外に、国産化の応用の進んでいないものまで輸入制限が図られる見込み。この際、税収政策による輸入制限措置がとられるという。

 このような大型石化設備(エチレン)の取り扱いについては、日系企業は一件もかかわっておらず、影響はない。