2007年08月24日
バイオ電池の実用化に見通し ソニー
世界初、植物ブドウ糖から電気を発生 
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ソニー

 ソニーはジャガイモやコメなどの植物に含まれるブドウ糖から電気を発生させる「バイオ電池」を開発したことを23日、明らかにした。まだ基礎研究レベルで、実用化はこれからだが、実用製品に使える形態、出力を備えたバイオ電池の開発・試作は世界で初めて。

 同社ではこの電池の電源だけで携帯音楽プレイヤー「ウォークマン(メモリータイプ)」を数時間、駆動できたとしている。同電池を4個直列接続した電池ユニットを使うと各電池へのブドウ糖充填は1回7ccと少ない。

 次世代の小型電池では、これまでに開発された太陽電池や燃料電池に出力などの実用性で劣るが、製造・廃棄工程を含めた環境性能は最も優れており「未来の電池」として期待が寄せられている。

 試作したバイオ電池は、外形が4センチ角ほどのサイコロ型。容量約40cc、ボディーにバイオプラスチックを採用している。酵素によるブドウ糖水溶液の酸化分解により電子と水素イオンを発生させ、自然拡散で取り込んだ電子・水素イオンと空気中の酸素から水を生成する還元反応(正極)によって発電する。

 酸化還元の効率を高めることによって、世界最高となる最大50ミリワットの出力を実現した。