| 2007年09月10日 |
| アジアでAN価格が急騰 |
| 需給の急逼迫で1,900ドル超えも |
| 【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況) 【関連企業・団体】:なし |
中国を中心としたアジア地域全域でAN(アクリロニトリル)のスポット価格が急騰してきた。最大消費国である中国の9月上・中旬渡しのCFR価格は安値でもトン当たり1,880ドル、高値は1,930ドルとなっている。8月の平均CFR価格に比べると同80ドルから110ドル高となる。アジアのANスポット価格が短期間でこれだけ大幅に上昇するのは極めてめずらしい。 これには、中国・SECCOが上海工場の年産26万トンプラントを修理のため急遽運休するとの情報が市場に広がったことが影響したと見られる。SECCOは、もともと10月に同プラントを10日間だけ運休して定修を実施する予定だった。 しかし、メカニカルな要因からオンスペック品の安定的な生産ができなくなったので定修の予定を切り上げ、運休期間も大幅に引き延ばすことにしたとの情報が市場に流れ、需要家の間に先行き供給不安観が広がって市況の急騰をもたらすことになった模様。 SECCOが実際に定修をいつ実施するかはまだ明らかにされていない。しかし、わが国の商社やANメーカー筋によると、同社のANの生産状況が思わしくないのは事実のようで、需要家の心理不安が払拭されるまでにはもう少し時間がかかると見られる。 |