2007年09月12日
欧州の輸入エチレン価格が高騰
中東品がCFRトン1,300ドル台に
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、欧州でエチレンの輸入価格が高騰している。直近のCIFあるいはCFR価格はトン当たり1,300ドルの大台に乗っている模様。1ヵ月前に比べると同50〜60ドル高となる。アジアのスポット相場とは逆の動きとなっている。この結果、東南アジアのCFR価格をおよそ100ドル、極東のCFR価格を50〜60ドル上回っている。

 高騰の要因は、欧州域内の主要石化製品の需要が一段と活発化してきた中で域内の石化センター間で定修のためエチレンプラントを運休するところが相次いで出始め、エチレン不足がこれまで以上に深刻になってきたと見られている。

 多くの大手商社によると、最近の欧州のエチレン輸入量は月35,000トンに達していて、従来の20,000トン前後を大きく上回っている。そのほとんどがサウジアラビアとイランからの輸出品で占められており、サウジとイランが欧州各国の活発な引き合いを受けて輸出価格の引き上げに踏み切っていることで同地域全域の輸入価格が上昇している。商社の多くは、欧州の輸入エチレン価格は今後もしばらく強含みで推移すると予想している。