2007年09月18日
山東省が主要4市の投資環境を現地で日本のメデアに紹介
青島、威海、煙台、済南が2010年までの計画示す
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 山東省は中国第11次5カ年計画(2006−10年)で国際化を目指す経済発展計画を固めたため、産業開発区、交通、港湾、観光などについて9月半ば、日本のマスコミ、企業65社を現地に招き、投資環境を説明、投資参加を呼びかけた。

 山東省は同国で広東省に次ぐ第2位の経済規模を持ち、過去6年間2ケタ成長を続けている。面積15万7,000平方キロ、人口9,309万人、06年のGDP 21,846億元、貿易額953億ドル(うち対日128億ドル)となっている。

 主要都市のうち青島、威海、煙台の三市は東端の黄海、渤海湾をのぞむ沿海にあり、今後も国際展開を図る方針で高速道路、港湾、観光地などを整備する一方、省都の済南市は交通の有利性を生かし発展する計画である。

 特に目立つのは国家級・省級の経済開発区とハイテク区の大型増設で、4都市とも48−94平方キロの産業用地を開拓している。電子情報、アウトソーシング、自動車・部品、建築材料、食品加工、造船、サービス業などの重点拡大を進めている。以下、各市が力を入れている開発区を見る。

 <青島市>
 市最大の青島国家クラス経済技術開発区(面積274平方キロ、人口45万人、膠州湾の入り口)の西側に6大産業グループを設置する。

・家電電子、石油化学、自動車・船舶、新資材、ハイテク、港湾物流の6大産業で、ハイアール,ハイセンス、オークマ、三洋電機などを中心とし家電電子グループが立地。

・石油化学では中国石油の石油精製年1,000万トン処理、エチレン年産100万トン計画を中心に麗東化学、積水化学などの高度化学、精密化学グループが参加する。このエチレンセンターはすでに石油精製部門の建設(黄島区)に着手していている。

・自動車・船舶は上海自動車グループ系の五菱自動車・部品工業団地で自動車、特殊車がつくられる。また、海西湾の造船、船舶修理基地を建設する。

・新資材では富源工業団地で新型建材や工業資材の生産を行う。台湾ガラス,洛陽ガラス、明和高分子、セーロンタイヤなどが参加する。船舶では浦項ステンレス、莱陽鉄鋼構造、高麗製鋼などが参加。

・ハイテク産業では国家クラスの新技術産業開発試験区と中国・カナダ科学技術団地をつくる。IT、光、機械、電気の一体化技術、バイオテクノロジー、アニメ・マンガの製作技術などを開発する。

・港湾物流は港をめぐるコンテナー、トレーラートラックの製造、港湾積卸機械の製造、港湾物流の配送などを発展させる。中国コンテナ運送グループ、伊藤忠,太平貨物コンテナ、特殊自動車などが参加する。

 青島開発区の港湾は中国第3位、世界14位にランクされている。2008年中には市と開発区の間に海底トンネルを通る地下道が完成する。(次回に残り3市を紹介)