2007年10月09日
遼寧・営口市に企業主導の産業パーク
兼松、エア・リキッドなど参加 30平方キロ
【カテゴリー】:海外
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 中国政府、遼寧省の東北旧工業地帯振興策に呼応して、同省営口市は沿海産業基地内に中国五鉱グループによる産業パークを建設することになった。

 同グループは基礎金属をはじめ原材料の採掘、製錬、加工、流通を手掛ける有力企業(中国大手500社の13位、06年の売り上げ189億ドル)である。

 東北振興策ではこれまで産業開発区の建設で、政府が主導して企業誘致を行ってきたが、営口産業パークは同グループが投資、開発の業務や企業誘致を行う。総面積約30平方キロ(うち10平方キロは冶金区)で、仏エア・リキッド、兼松などが参加する。

 総投資額は60億元を見込む。営口産業パークは装置製造、鋼材加工、精密機械、機器製造、新素材などの製造を目指し、全体が完成する15年後に10万6,000人の雇用創出を見込んでいる。近代物流業、ビジネス貿易サービス業の育成も図る。

 遼寧省は現在、政府の東北振興策のもとで、新経済戦略(5点1線)として営口沿海産業基地、大連長興島臨港工業区、錦州湾沿海経済区、丹東産業園区、大連華園口工業園区の5地域を高速道路で結ぶなどの計画を進めている。

 営口には営口産業パークが入る国家級経済技術開発区がある。面積268平方キロ、人口30万人で瀋陽まで210キロ、大連まで180キロ。東北3省と内モンゴルの海の玄関口でもある。

 同開発区にハイテク園を含むはグリーン(3.28平方キロ)、臨港(3平方キロ)、冶金化学(4平方キロ)、装備製造(6平方キロ)、プラスチック(1.13平方キロ)、海洋漁業などの工業園があり、農産物加工、服装加工、物流などの産業も活躍している。
すでに大手では鞍山製鉄所(年産500万トン、1,300万トンに増設中)、ミタル、印タタ、英ウェスウィウス、上海フォード、ワーゲン、オーストラリア・アスゾン、ロシア・ミゴウなどのグループが進出している。

 営口市としては今後、設備製造、石油化学、冶金、船舶、自動車、農産品加工、ハイテクなどの産業を強化する方針である。工業用地価格については1平方メートル150元、ハイテクなどの業種については別途対応。増地税を控除する予定もある。

 高速道路は瀋陽—大連、ハルビン—大連、鉄道は長春—大連があるほか、時速300キロの新幹線も建設中。大連空港まで車で1.5時間,瀋陽空港まで2時間。電力は華能発電所が出力32万KWH 設備を2基もち、60万KWH2基も建設中。